Poke-mon

□魚は溺れる、水のない水槽
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「はぁっ……シンジはどうしてそんなに意地悪なの…?」

奉仕していた口を離しレイジは溜め息交じりに言った。水気を帯びてふっくらとした唇を一撫でして唾液を拭う仕種に一瞬目を奪われながらもシンジは答える

「兄貴が虐めて欲しそうな顔をしているからだ」

「何だよそれ。…それじゃ俺がまるで変態みたい」

少しむくれてみせるレイジの顔をシンジの手が引き寄せる。彼の意図に気付いたレイジはふ…と目を伏せるとその口腔に再び彼の牡を咥え込んだ


「ん……っ…む……」

ちゅく、ちゅくとシンジの牡に吸い付く濡れた音が薄暗い部屋の中に響く
時折息継ぎをするように洩れる溜め息
愉悦を含んだ低い笑い声が交ざりそこだけがまるで日常から切り離されているかのようだ


やがて小さな呻き声と同時にそれは終わりを迎える

どくどくと吐き出された生温い白濁を解放を許されない口はただ受け入れるしかない

喉に絡み付く青臭くて苦いそれをレイジはぐっと堪えて飲み込む


「けほ…っ」

「ちゃんと飲めたな」

うっすらと涙の滲む目尻をシンジの指が優しく拭う

時折見せるそれは常よりも甘くレイジの心に染み込み、まるで本当は優しい子なのだという淡い期待さえ抱かせる



(毒されてる…のかな)

愛されているのか体よく利用されているのか


それでもそんなシンジの言葉を我が儘を叶えてやりたいと願ってしまう自分がいる……それが兄としてのそれなのか違うのか、レイジ自身もうわからないでいた

「兄貴」

「何?」

「好きだと言え」

「……」

「俺のことが好きだと、言え」

「………好きだよ、シンジ。大好き」


酷いと思われることをした後にシンジは必ずといっていいほどこの言葉を言う
確かめるように、何度も何度も


まるで何処まで許されるかを試しているかのように


嫌いになれる訳、ないのに


そう思いながらもレイジも同じように返す
いつもの言葉を聞いてシンジの顔に微かに安堵の色が浮かんだ


「俺はシンジからは逃げない。…逃げられないよ」

「兄貴…」

「だって俺、お前に溺れてるもの」


陸に打ち上げられ、空気に溺れる魚みたい
溺れて溺れて
息も出来ない


「ねぇシンジ………触って」


お願い、とねだる声に腕が引かれスプリングのきいたベッドに押し付けられる

寝間着の裾から潜り込んだ手が胸の突起に触れ指先で軽く摘む

指の腹がそれを揉み潰す度にレイジの唇から痛みのせいだけでない嬌声が上がる






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