Heaven or inferno
□StoryV
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=由宇紀視点=
――次の日
今日は金曜日。奈緒の得意分野の体育、しかも柔道だ。今日こそ勝ってやる!!
―1限目、体育。
「今日こそ負けねぇからな、奈緒!!」
俺は奈緒に叫んだ。すると、奈緒も言った。
「ふん、ゆぅがこの奈緒様に勝てるわけないわ!!」
やはり向こうは自信満々だ。
俺は奈緒と違って遠距離戦より接近戦が不得意だ。
だから、接近戦で奈緒に勝てれば
それだけで
すごく価値がある。
奈緒と俺がお互いににらみ合っていた。
すると、周りの奴らが、次々につぶやき始めた。
「うわ・・・また始まったよ、由宇紀と奈緒の勝負。勝てるわけないのによくやるな、由宇紀・・・。」
「うち、この時間が1番嫌やわ。2人とも恐いんやもん。」
とか、口々に言っている。クラス中の皆が呆れかえっていた。
…なんか勝てるわけないって言った奴、あとでシバく!!
俺達のことを、先生は止めることが出来ない。
つか、止められるのは水紀だけだし。
でも、止めないんだ。だって、止めても止めてもすぐに勝負しようとするんだからな。
本当にヤバいとき以外は止めにはいらない。
例えば
…俺が殺されかけたときとか。
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