短編集

□JUST A SPECIAL DAY!
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「ねえ、今日何の日か知ってる?」

朝の早くからリンクの家に乗り込んできたサリアは、何やらニコニコしていた。
よほどイイコトでもあったのだろうか。

「今日?」

何の日か、と言われても思い当たる節が無い。
しかし、毎日同じことの繰り返しで、いったい今日が何月の何日かもわかっていないのだから、仕方ない。
リンクは首をかしげながら、指で頬をポリポリとかいた。

「何の日、だっけ?」

何の悪気もなく、ただヒントを仰ごうと思って聞いただけだったのだが、彼女にとっては、そうもいかなかったらしい。
見事にその場の空気は凍りついた。
数秒の沈黙、それを破ったのはサリアだった。

「リンクなんか知らないっ!!」

そう言うと、サリアは怒って出ていってしまった。
リンクはポカンと口を開けた。
怒らせるつもりは無かったし、怒らせるようなことをしたつもりも無かった。
指を折って何月何日から、いったい何日経ったのかを数えようと試みたが、やっぱりわからなかった。

「(後でデクの樹サマに聞きに行こう。)」
そう頭の中の予定表に書き加えて、帽子をかぶりなおした。
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