でらデラDERA

□あだ名
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諸星「ふぅ〜ずぃ〜まぁ〜」

藤真「・・・」

諸星「ふんじまぁ」

藤真「・・・」

諸星「ふじまん。あ、いいね、美味そうじゃないけど」

藤真「おい、誰かコイツつまみ出せ」




藤真はイライラしていた


全ては横に並んで腕組みをしている木偶の坊のせい。


 

諸星「冷たくねー?久しぶりの再会だってーのによぉ」

藤真「久しぶりだぁ?テメェ先週も来てたじゃねーか、もう痴呆が始まったか」

諸星「ま、けんじん汁に会うのはオマケだけどね」

藤真「変な名前付けんじゃねーぞ植物頭、この男前をオマケ扱いかテメェ」

諸星「当たり前だろ、わざわざこっちに来てんのは牧に会う為だからー」




藤真は呆れて大きい溜息をつく


牧の為だけに愛知から神奈川まで来ていると


他の奴が知ったら誰だって同じような態度になるだろう


週末を狙っては現れる諸星に


どうやったらそんな金が溜まるんだ?と聞きたい


金持ちだなんて聞いたことねぇし。




藤真「オマケんとこに来なきゃいいだろ、真っ直ぐ牧んとこ行けば?」

諸星「いやーねぇ、ふじまじんが泣くかなぁと思ってさ、俺にシカトされて」

藤真「嬉し泣きしてやるよ、っていうか、もっとマシなあだ名つけらんねーの?センス無いにも程があんだよボケが」

諸星「えーどこがー?イカすだろ」

藤真「範囲が狭すぎんだよっ!もっとワイドに考えろよ、ワイドに!」

諸星「ワイドねぇ・・・42型とかどうよ?」

藤真「誰が俺のあだ名って分かんだ」




コイツを相手にすると精神的にやられる。


牧も災難だよな、こんな馬鹿に付き纏われるなんてよ。


一刻も早くドラゴンスクリュー決めてやりてーよ。




諸星「そんなに文句言うなら、俺にあだ名付けたらいいだろ!」

藤真「・・・必要ねーよ」

諸星「もっとがっついてこいよ!こうさ!!胸ぐらい貸してやっから!!」

藤真「いってぇ!!何すんだテメェ!」

牧「お、おい、喧嘩はダメだぞ」




ゴリラばりに胸を突き出し、俺に体当たりしてきた


力加減なんて言葉はコイツの頭にあるわけが無い


ドンという音が響くぐらいだから、全体重をかけているんだろう


さすがにブチ切れて、左手でこめかみを思いっきり掴み


アイアンクローを決めてやった時、牧が仲裁に入ってきた


・・・あれ、ここ翔陽だよな?




諸星「マキアージュ・・・!」

牧「モロッコ・・・」

藤真「・・・何ソレ。」

諸星「羨ましいんだろ〜?俺達のあ・だ・名!なー、マキアージュ!」

牧「そうだな」

藤真「なんで微笑み返してんの。なんで俺が余所者っぽいの。なんで牧がココにいんの。」

諸星「なーに、妬いてんのー?俺と牧が仲良すぎるからってさ〜?」

牧「そんなわけないだろう、モロッコ。藤真は感心していると思う」

諸星「そうなの!?ちょ、照れるなっ」




いや、俺何にも言ってねーし


牧、感心ってなんだ。お前達のどこに感心しろっつーんだ。


真顔で諸星をモロッコって呼ぶお前に感心しろってか?


あぁ、感心だ!感心してるよ!俺にゃー出来ねーからな!!


これで満足か!?牧よ!!




藤真「・・・一応聞いてやるけど、どういった経緯でそんなあだ名に?」

諸星「マキアージュは、母さんが言ってたのを聞いた気がして、それでーみたいな」

藤真「へー。モロッコは」

諸星「初めは”モロはみ出てる”だったんだけど」

藤真「なにが!?」

諸星「マキアージュが、それじゃ長いから言いにくいっつーことで、モロッコ」

藤真「何がハミ出てたんだよ!?」

牧「モロッコ、そろそろ行こう。ウチで部員が待ってる」

諸星「あ、そっか。俺、迎えに来てって言ってたんだった!」

牧「ったく、ヒドい奴だなぁ?それじゃ藤真、邪魔したな」

諸星「じゃーなー!」

藤真「ちょっ」




ハミ出てたモノを教えてから行け!


・・・・・・嵐が去った。


なぁ、牧・・・俺はお前を尊敬してるんだぜ?


バスケの技術、人当たりの良さ、そして諸星の扱い


・・・お前には当分敵わない気がするよ。














END。













 

20100614

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