シュガーソルト

□『野外学習2』
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K side

あまりに無邪気に可愛く笑ったから俺はゆきなにキスしちまった。
その後真っ赤な顔してたから
再度してやろうかと思ったがやめた。
そしたら次の日…つまり今日
いつものように接してくるから
もうあいつの中で無かったことにしようとしているのがわかった。
そっからの
亜美とつきあっちゃえば発言。
俺はどんな奴にどれくらいの金額をつまれたってあの女と付き合う気はさらさらないし
むしろ恐ろしいとしか言えなかった。

(あいつ俺のこと全く眼中にないんとちゃうか?)

そもそもあいつには恋愛というカテゴリーがあるのかさえ不安だった。

(んでもよ
それって俺以外の奴がキスしてもああいう反応ってことか?)

俺は頭を悩ませた。

(そもそもあいつって過去に恋愛とかしてんのか?)

俺はゆきなからそういう話しを聞いたことなんか無かった。

(聞いてみるか?)

そう思って俺はゆきなをチラッとみる。

「ん?なんだ?」

(…可愛い…///)

キョトンとしたゆきなの表情が可愛かった。
だが本来の目的を俺は思い出した。

「いや、お前人に付き合えとかいうくせに
自分はそういう恋愛したことあんのかなーって思って」
「…ああ、ねぇな
誰かとつきあうっていうのは」

(じゃあ誰かを好きになったことは?)

って聞こうとしたがゆきなは

「オレは恋愛なんて2度としない」
「は?なんで?」
「…かすみたちみたいなのは羨ましいけど
オレなんて好きになるやつなんていねぇんだよ
楽しんでるだけだもんよ」

さめざめといいながらゆきなはオレの前を通り過ぎた。

「どったー?」
「いや、あいつ
なんであんなに男を嫌がるのかなーって思ってさ」
「ん?ゆきとー?」

俺がボーッとしているのが気になったのか良が不思議がって声を掛けてきた。
疑問を投げかけると誰のことを言っているのかわからず良が誰かを確認してきた。

「その辺は俺はわからねぇからなー…
小中違うしなー」
「んだよ
使えねーな」
「まぁ、でもいろいろあったんだろーよゆきとに」
「…ふん、ホントにおめーは物分りがいいな」
「そうかー?
そうじゃねぇときもあるけどねー」

ゆきなだとどうしても詮索しちまう。
これが世でいう
『好きな子のことならなんでも知りたい』っていうやつか…

俺は頭を抱えたくなった。

(アホくせえな
俺からは言わねえっつーの!)

俺は考えを振り払い山登りに集中することにきめたのだった。
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