シュガーソルト

□『どうしてそんなに嫌うのか』
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K side

「やべえ…;
服がねえ」

そう開口一番に口を開いたのは
俺と同室で
男子校なのに女子な星安 ゆきなだ。

普段のクラスではゆきとと呼ばれている。

黙っていれば可愛い。
けど喋るとその可愛さは無くなると言われるほどだった。
背は小さいのにすごく素早いしなんなら自身が152cmに対して自分より30cm上の100kg級の男を軽々と投げる相当の力の持ち主だし
更に言うならば
相当の武道の段持ちらしい
本来俺らの高校 星涼高校は部活は絶対強制なのだが
ゆきとが免除されているのは
『自分より強い奴がいたらその部活に入部する』と宣言していたからだ。

だからゆきとと登校すると必ずと言っていいほど
部活に勧誘してくる野郎どもが容赦無く挑んでくる。

(まぁ、敵わなくて終わるんだけど…)

冒頭のセリフはちなみに今日はゆきとの妹であるゆきとそのゆきの彼氏と俺とゆきなでWデートをするらしくてその服がない事にゆきなはボヤいていた。

「まぁ、ねぇだろうから
ゆきちゃんとこ行って借りてこいよ」

「いや…ゆきの服はどーも…ワンピースやらスカートの短いやつが多くて苦手…;
あとヒールの靴無理」

うんざり、という顔でゆきなは青筋立てていた。

(っても…この部屋にあるとも思えねぇしな…;)

なにせここは男子寮

(ちゃんと女子らしくして行こうっていうのは可愛いけどなー…)

俺は珍しいほどこの女男みたいなゆきなに恋している。

なぜかはわからないけど
時々見せるふとした笑顔とか
強そうに見えてすっごい女の子の部分とか可愛くて可愛くて仕方ない。

(まぁ、そんなこと言えねえけど…)

「仕方ねぇ…諦めてゆきんとこ行ってくるから
おめぇは先に待ち合わせ場所の△△駅にいてくれ」

「あー…はいよー」

そう言ってゆきなは窓から出て行った。

(あいつ本当に女か…;)

男装が身につきすぎて行動は完全に男だった。

(まぁ、いっか…)

俺も準備をして寮を後にした。


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