シュガーソルト
□「ウェイトレス」
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桜も散り、緑の葉が青々と煌びやかに陽に照らされながら
少し暑さを感じられるようになった5月の上旬、
世間ではGW真っ只中だった。
このGW中に実家に帰省するやつもいれば
俺らのように寮に残ってGWを過ごしてるやつもいた。
そして
寮へと残っている俺と良は街で買い物し終わったあと
ファミレスでご飯を食べようとディーズへ赴いた。
「いらっしゃいませー
お客さま、何名…さ ま…」
明るかった声は次第に落ちていった。
それもそのはずで
むしろ俺らも、それはそれはびっくりで
「なんでゆきながいるんだ?」
「なんでだろーな」
黄緑色と白のウェイトレスの服を着ているゆきな。
さらにはロングのウィッグを付けていた。
「…こ、こちらに御案内いたします!」
引き攣っていた表情を直しなんとか笑顔で俺らを席に案内したゆきな。
そそくさとその場を立ち去ったのはすばやかった。
「…これは帰ったら聞かねえとな」
「あらら、ゆきな気の毒に」
帰ってからゆきなに質問するのが楽しみになった俺はゆきなの姿を時々目で追いかけながら
良と飯を食べて
店を後にして寮で別れたのだった。
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