♪あんなこと☆こんなこと♪
□『国王と蝶』
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どっちがどっち?
甘さレベル:★★★★☆
パルミエ王国を復刻させながら、さらにローズ宮殿のバラの世話をしてるのぞみ達。
たくさんの街に出かけて旅に出てるボクだけど月に一度出て、2週間くらい帰って来ないだけで
残りの2週間はナッツハウスや王国にいる。
そんなある日旅から帰って来てナッツハウスへ
寄ったボク。
しかし中に入るとナッツもレジ前に居らず
2階から賑やかな声が聞こえてきた。
(なんの話ししてるんだろう…)
そう疑問な気持ちとワクワクした気持ち合わせて2割でのぞみに会える気持ちのワクワク感が8割で2階に向かった。
「絶対にぜーったいに
のぞみさんの気持ちが勝ってますっ!」
「いーえっ!
ココ様に決まってるじゃないっ!」
(ボク?のぞみ?)
のぞみ大好きのうららの声に
パルミエ王国のお世話見習いであるミルク基くるみがなにやらボクらのことで話していた。
「だってだって、のぞみさんは毎日と言っていいほどココに手紙書いてるじゃないですかっ!
絶対にぜーったいに気持ちが強くなくちゃ書けないし、強くなくちゃ書きたいと思いませんっ!」
(気持ち…?)
うららの言ってる意味がボクにはわからなかった。
「まあ、確かにあののぞみがこまめに手紙書くくらいだもんねー…
悔しいけど、相当想われてるよねココの奴」
「!」
親友であり幼なじみであるりんがそう言った瞬間
ボクはみんなが何の会話をしているかわかってしまった。
「なに言ってるのよっ!
ココ様のあの態度見てみたら一目瞭然じゃないっ!
あの優しい微笑みに甘い声…そして大胆な行動の多さっ!
人前であろうが街中であろうが
のぞみがいればどこ問わずにイチャイチャしてるじゃないっ!」
胸を張ってくるみがいつものように自信満々かつ
高飛車態度でいう。
くるみはくるみなりでココを見ている。
そして2人の仲を認めている。
「褒めてるのかけなしてるのかどっちかにしろよ…;」
出されたホットケーキを摘みながらシロップは
くるみの言葉に呆れていた。
「そーいうあんたはどっちなのよっ!」
「あぁ!?;」
シロップの言葉に怒りを覚えたくるみは
逆にシロップに聞き返した。
「まぁ…のぞみなんじゃねぇの?」
頬を掻きながらシロップはさらりと言った。
「なんでシロップはそう思うの?」
イライラしっぱなしのくるみを宥めながら
かれんはシロップにそう聞く。
「毎回毎回、あいつはのぞみの手紙を届ける度に
いろいろとうるせぇしな…
みんな1割ののぞみ9割だ」
「「「「;」」」」
全員が全員、シロップの言葉に絶句した。
「あ…か、かれんさんはどっちだと思いますか?」
この空気をどうにかしようとりんがかれんに語りかけた。
「そうね…あたしはのぞみも一途でココを思っているように思えるけど
ココも一途にのぞみを思っているように思うの…
だって、ココってば学校でのぞみを見る度に嬉しそうに微笑んでいるんだもの…
教師として危ないわよね」
「;」
(み、見られたのか…っ///)
階段の下で聞いていて思わず恥ずかしくなって
顔が赤くなっていた。
「か、かれん…?その発言はどうかしら…?」
親友であり、あの堅物のナッツと付き合っているこまちが
かれんの発言に汗を掻いていた。
「じゃあじゃあこまちさんはどちらだと思いますかっ!?」
好奇心旺盛なくりくりとした黄色の瞳で
こまちを見つめるうらら。
「う〜ん…そうね…きっとどちらも気持ちは同じくらいのはずよ?
だってココさんものぞみさんもすごく幸せそうな笑顔を見せてくれるもの」
ニコニコとこまちの出す柔らかい笑顔
全員が気がつかされる。
「2人の気持ちがどちらか、だなんてきっとあたし達が比べちゃいけないんじゃないかしら?」
「…そうだな…こまちの言うとおりだ」
ずっと黙っていたナッツも滅多に見せない笑顔で
こまちに微笑んでいた。
「そうね…こまちの言うとおりよね」
「なんかあたし達…どっちがって比べちゃってましたね」
「ハハハッ
確かに間違ってたかもねっ」
笑い合いながら7人は再び違う会話に話しが盛り上がっていた。
(どっちがどっちか、か…)
そんなの決まってるのに
心でそう呟いていた。
もうすぐ来るであろう彼女を待ちわびながら
ボクは聞きたいことがあった。
「ー…」
なにかを感じた瞬間と同時にボクは後ろを振り返った。
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