『永久の恋情』

□『第1シリーズ』
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【昔々、遥か昔のお話し…。

村にはバンパイアと魔道師が仲良く暮らしていました。
異なる姿の種族でしたが
村の人々は見た目に気にすることもなく
平和に過ごしていました。

しかし
そんな平和な時もある雷が原因で
狂気へと変わったのです。

雷が落ちた場所は
人間とバンパイアが仲良く暮らす為に
建てられた教会でした。

教会の中にあった像に雷が落ちたことによって
バンパイアの本来の力が蘇ってしまい
村の人々の血や肉を余すことなく喰らいつくしたのです。

そんなバンパイアの力を封じようとした魔道師達でしたが
人間の血や肉を喰らうことによりバンパイアは力を増し、魔道師達もバンパイアの餌食になってしまったのでした。

バンパイアの中で唯一、その影響を受けなかった1人の若い青年と
魔道師の中で唯一、最大の力を持ち、村外れに住んでいた若い少女…。

そんな2人は仲睦まじく暮らしていました。

村が狂気で荒れていることなど知らない2人。

だけでそんな2人の終焉はある日突然現れたのでした。


バンパイアの中で最上級の血だと言われている
『聖者の血』
世界中でたった1人の人間にしか流れないという最高の血。

村の人間の血に
飽き飽きしていたバンパイア達は
そのたった1人の人間に流れる血を求めて世界へと羽ばたいたのでした。

そんな世界の変化にさすがに2人も気づき
村へと向かいます。

しかし2人が村を見た時は既に壊滅しており
村人、1人さえいませんでした。

バンパイアがやったと気がついた青年は
少女の元から去ってしまいます。

青年がいなくなった悲しみを少女は抑えながら
血と闇に染まってしまった世界を救おうと
村を飛び出しました。


近くの村から村へと足を運びますが
誰1人生きているものはいませんでした。

そんな世界の状況に少女は壊滅の村から新たな血の匂いがしたら
バンパイアが集まるかも知れないと判断し
持っていたナイフで指先を切りました。

それがはめられたら罠だとも知らずに

少女の予想通りに世界中に散らばったバンパイアが少女の元へ集まります
少女は村に火を放ちます
そして3日3晩休むことなく炎の中で少女は戦いました。

そして他のバンパイアより禍々しい妖気に気づいた少女はその妖気の場所へと向かいます。

その妖気の場所は
人間とバンパイアが暮らす為につくられた教会でした。

そして少女はその妖気の気配に見覚えがありま
した。

扉を開けるとそこには
去っていたはずのバンパイアの青年でした

ですが
バンパイアの青年はもうあの頃の青年ではなく
血と闇に犯されバンパイアの王となった青年でした。

爪は鋭く伸び
生気のない肌色
赤く染まった瞳
噛まれたら骨まで食らってしまう牙
普通のバンパイアより速い動きに力
3日3晩休まずにいた少女はもう限界でした
最後の力を振り絞り
少女は魔道師の中で幻の存在と言われる剣を呼び出し
誰よりも愛していた青年の心の臓に突き刺したのでした。

なにもかもを失った少女は炎の中で嘆き、
最初で最後の涙を青年の前で流し消えていったのでした。













時は流れ
2人の魂は7度出会う

だが2人の愛が結ばれることはなかった

魂は惹かれ合う

そして今度の魂もまた
時を経て2人の人間に宿りつく

過去を紐解くように
胸を貫くほどの過去を再び思い出す為に

紐解いた過去を幸せに導く為に】










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