シュガーソルト

□『痴漢』
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Yn side


麻見に言われてというより追い出されてあたしは
ゆきの所に泣く泣く来た。

「ええー!
海くんとデート!?
ゆきなちゃんが!?」
「デート…なのか…?」

ゆきに話したらゆきは目をまんまるにしながら驚いていた。

確かに出かけるとは言っていたがデートとは言っていなかった
と思い疑問系で考えていた。

だが

ゆきの目はなぜだか
輝いている

「な、なんでそんなキラキラしてんの?」
「え、だって海くんと恋人なんでしょ?」
「違う!なんでそうなるんだ!」

女子中の女子のゆきはデートというだけですぐに恋だの愛だのと繋げる。

「えー…お似合いだと思うけどなぁ〜
ゆきなちゃんのこと唯一守ってあげれそうだし」
「あたしにはそんなの関係ないよ
男なんて嫌いだって言ってるだろ」

そういいながらあたしは
ゆきのクローゼットから
あたしでも着れそうな服を探していた。
カジュアルな服で行こうと
パンツとシャツを探す。

「わっかんないじゃない
もし、ゆきなちゃんより
強い人が現れたらどうするの?
自分を待ってくれる人が現れたら
ゆきなちゃんはその人に恋に落ちたりしないの?」
「…あたしより強いやつね…」
うーーーん、と思いながら
考えていた。

だけどそんな奴いるのだろうか
今の今まであたしと互角で戦えるやつなんていなかったのに
それが今更現れたら、なんて言われても実感もないしこれだという応えもない。

「…そーだね
とりあえず正気?
とだけ聞いとくかな」
「えぇーーっ
もう!ゆきなちゃんってば素直じゃないんだからっ!」

ブーブーっと言いながらゆきは頬を膨らませて膨れっ面になっていた。

「よし、これで行こう」
「ダメ!」

シンプル過ぎるほど無地の黒スキニーと白のプリントシャツに
デニムの上着を借りようとしたら
ゆきに没収された。

「な、なに…
「ゆきなちゃんだって
女の子なんだから
おしゃれしなくちゃダメーーーっ!
もう!ゆきが今日はめっちゃめっちゃ可愛くしてあげるんだからぁっ!」
「え…;」

気合の入ったゆきにあたしは逃げられず
されるがままゆきに姿を変えられていったのだった。






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