シュガーソルト

□『自覚』
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K side

ゆきなの所でバイトしてから半月。
ほんとはゆきなの近くにいたかったっていうのもあるが
言うと俺の気持ちがバレると思い
理由ははぐらかしていた。

実際にゆきなと二人っきりに、なると
襲いそうになるのも事実だったりする。
というか実際に限界だったりするのも事実。だからしばらくキスやら触れるのはいい、とゆきなに伝えた。

少しは寂しがるだろうか、と思ったがそんな素振りはなく
二つ返事で終わってしまった。
ショックはあったが
まぁ、仕方ない。
恋人になればいいだけのことだ。

そう思っていたのに…

「ん、スースー…」

先に家に帰っていたゆきなは
座ったまま寝ていた。

「おい、マジかよ;」

ゆきなが布団で寝てないのは初めてだった。

(疲れてんのかな…
とりあえずベッドにあげるか)

そう思い俺はゆきなを持ち上げる。

(軽っ!
こいつ男並みに食うのに
ちっせーし軽いって得してんな)

「ん、んぅ…」
「!?」

服を握りしめながら
ゆきなは顔を俺の胸元に埋めてきた。

(おーい…マジか
かわいすぎんだろお前)

「俺がなんのために恋人ごっこ遠ざけてんだと思ってんだ」

寝ているゆきなの頬をつ
ねりながらそんなことを呟いた。

ベッドへゆきなを下ろそうとするが
握っている手が邪魔する。

「…おい、おーいゆきなちゃーん」

(くそ、マジで頼むぜ;)

がっしり掴んでるゆきなの手は離せなかった。
しばらくお姫さま抱っこのまま俺はベッドに腰を下ろした。


すやすやと気持ちよさそうに寝息をたてながら安心した寝顔で寝ているゆきな。
その寝顔からは幼さ全開だった。

(安心しきってるって思っていいのかよ…)

それはそれで迷惑だった。

「つかよ、お前そんなに安心しきってると普通にシラフん時襲うぞ」

聞こえるのは寝息のみ。

距離をとっていたのにまさかこんな形でゆきなを近くに感じてしまうことがあるとは思わなかった。

「…今日だけだかんな…」

そう言ってゆきなが離れるまで俺はそのままだった。


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