シュガーソルト
□『野外学習2』
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(美男美女だしなー
あの2人つき合えばいいのに)
そしたら海もオレが彼女の役とかやんなくても済むし、とか考えていた。
言い合いをし合う2人にオレは
「なぁ、海と亜美2人は
つきあったりしねぇの?」
「「はぁ!? 怒」」
「んぎゃ!!」
言葉を放った瞬間に
海と亜美から一気に睨まれて変な声が出てしまった。
ぶっちゃけ怖かったのもあってオレは近くにいた良の後ろに隠れてしまった。
「あ、ごめんごめん
ゆきと怖ないでおいでー」
海との言い合いでつい睨んでしまった亜美は先ほどの睨みの表情とは全然変わってゆきとに笑顔を向けた。
それはまるで怯える仔犬を呼ぶかのように亜美を呼ぶ。
(こ、怖かった…)
海じゃなく多分、亜美に睨まれたことの方だとは思うがそれでもオレは若干、亜美にビクビクしていた。
「てめぇっ 怒
冗談でもそーいうアホなこと言うじゃねぇっ!怒」
「な、なんでそんなに怒ってんだよ;」
相当亜美と付き合うのが嫌なのか海の表情はマジだった。
「俺は亜美とはかなり長い付き合いだが
1度も女として見たことはねえ」
「そら奇遇やなー
あたしも無いで」
「あってたまるか!」
「ほんまそれやわ」
先ほどの睨み合いとは打って変わって
2人は互いに互いの言っていることに頷いていた。
「仲良いからてっきりそうだと」
「「ないない」」
「;」
こういう時だけ息があってる2人にオレはたじたじだった。
「まぁ、亜美と海は見た目だけなら問題無さげだけどなー」
「2人共内面ダメだからな」
「は、ハハハ;」
良とかすみも言いたいこと言っていてそれのフォローも出来ずに終わった。
「つかお前も恐ろしいこと言うのやめてくんねぇ?」
「あ?恐ろしいか?」
「なんで急に言い出したわけ?」
「えー…?見ててなんとなくー?」
「なんとなくで言うなや 怒」
コツン、と頭を小突かれて海は先を歩いていった。
(わっかんねぇなー男って…
つか、夜
憂うつだわーーー)
オレはもうすでに昨日のことを忘れ、迫り来る夜のことばかり考えていた。
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