シュガーソルト

□『ライバル』
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Y side

海に好きだと告白された。

別にイヤじゃなかった

だけど告白されたのは人生で初めてで
なんて答えていいかわからなかった。

海は振り向かせる気満々だ、って言ってたけれどオレはただただその言葉を耳に入れただけだった。

ただ一つ問題があった。

「ゆきな」

「…」

「ゆきなー」

「…」

「ゆきなちゃーん」

「…っ」

「おい、人が名前呼んでるのにてめー無視か」

「顔が近けぇんだよ!!」

距離感が近くなったことだ。

「お前が中間テストの点数やばかったから
こうやって教えてんだろーが」

「そ、そーだけど…」

にしても近いだろってくらい近かった。

(別にそこまで近くなくてもいいだろ…)

すぐ隣に海はいる。
勉強を教えてもらうために
なぜならオレが中間テストで赤点を全教科取ったからだ。
見かねた雷ちゃんが同室の海に申し出たのだが
告白後なのでオレはなぜだが海が近くにいるだけで意識してしまった。

(うー…やだなぁー
なんでこんなにドキドキしてんだろ…オレ)

頭を抱え込みながら
オレは隣の海をチラ見した。

「?」
「!」

目があってしまった…

「ん?チューでもしてほしいのか?」

「寝言は寝て言えよ 怒」

ガン飛ばしがなくなり何かあれば茶化して来やがる。

(まぁ、そっちのが楽なんだけどな…)

そんな呑気に中間テストの補習の勉強をしているオレらなのだった。

このあと自分の気持ちが更に乱されるとも知らぬまま。



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