君と出逢ってまた恋をした

□『出逢い』
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入学して
まだ間もない時期。

あたし
星安 ゆきな(16)
高校に
入学したばかりの
あたしは
いまだに
友達という
友達を作れずにいた。

(あ〜あ…
この人見知りの
激しさ…

どうにかしよ〜よ…)

ゆきなの場合
人見知りと言うよりは
壁を作ってしまって
相手に心を開けない
少女だった。

(こんな
地味メガネだしな〜…

本当…

あたしって
つまんない所で
ネガティブ…)

そう幸は
顔を机に突っ伏した。

「きゃあああ〜Vv
海だぁ〜Vv」

「!」

窓際に座る
あたしは
女子の歓声に
耳を傾けながら
窓から外を見る。

「…」

(いかにも
女たらしって感じ…)

麻見 海(16)
超売れっ子の
モデル&俳優の
イケメンで
女子のみんなには
1、2を争うくらいの
モテモテ男子。

その麻見 海は
サッカー部の
朝練終わりに
応援していた
女子に話しかけられて
ニコニコ
ヘラヘラしていた。

(絶対に
関われないタイプだよな〜)

あたしと麻見海は
まるで
月とすっぽんだった。

なのに
なぜか同じクラス…。
まぁ、席は
離れてるから
問題は全然ないんだけど…。

「はぁ…
どーしよう…
この1年間…」
あたしはずっと
友達作りに
悩んでいた。

そんなことを
考えていたら
あっという間に
HRの時間になった。

「まぁ、入学して
まだ2日目ってことで、
早速自己紹介を
番号順で各自に
名前
中学で入ってた部活、
高校で入りたい部活
好きなもの3つ以上
あと一言の
5つの項目にそって
紹介してってほしい
よろしくな〜」
「「は〜い」」

クラスのみんなが
一斉にざわめきはじめた。

そんな中、
あたしは…。

(ど、ど、ど、
どーしよう…っ)

人一倍緊張していた。


「んじゃあまず
俺からだなっ!」

そう言って教卓の前に
出てきたのは
麻見 海だった。

「名前は麻見海
中学でやってた部活は
サッカー部
高校でやる部活も
サッカー部なんで
応援よろしく☆
好きなものは
甘いもんと
サッカーと
女の子っVv
なんで
女子からの
差し入れとか
大歓迎〜☆

一言は〜…。
今度発売する
写真集、買ってくれたら嬉しいな?」

そう魅惑的に言う海に
女子たちは…。

「きゃあああ〜Vv
絶対に買う買う〜Vv」


女子という女子が
きゃあきゃあと
叫んでいた。

(そんなに
騒ぐことかな…ι)
幸はあんなに
飄々と出来る海が
すごいと思って
関心していた。

そして
とうとう
自分の番が来た幸。

「あ、あの…
な、名前は
せ、星安ゆきなって言います…」
「星安…?」

海がゆきなを見て
ポツリと呟く。

「中学では
武道部を全部掛け持ちしてました…」

ざわっ

「え…?
あんな地味な子が…?」
「武道部を
全部掛け持ち!?」

教室内が
ゆきなの
掛け持ち話しで
持ちきりだった。

(や、やっぱり
そういう反応だよね…)

「こ、高校で入りたい部活は…
演劇部です…」

「空手…演劇…星安…」

海はぶつぶつと
言っていた。

「好きなものは…
カラオケと
焼き肉と
動物です

えっと…
一言は…
い、1年か
「あぁあぁあっ!!
思い出したぁっ!!」


海が席を
急に立ち上がって
ゆきなに指さす。

「あんた、
もしかして
リヒトさんと
ナッツさんの

「あぁあぁっ!!
あたしは
凛と強く
納得のいくような
一年間を何事も
平和に穏便に
このクラスで
過ごせていけたら
良いと思いますっ!!
以上っ!!」


そう言ってゆきなは
クラスメイトが
ポカーンとしているうちに
1人自分の机へと
戻って行った。

(あぁもうっ!!
最悪の一言紹介しちゃった!!)

遠まわしに
“あたしに
関わらないでください”

って

言ってるよ〜な
もんじゃんかっ!!


涙が出そうなくらいの
勢いでゆきなは
机に突っ伏していた。

ゆきなにとっての
最悪なHRは
順序よく終わり
放課を迎えた。




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