君と出逢ってまた恋をした

□『食券』
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グラウンド

「さぁ〜
やって来ました
記念すべき
第1回の
恒例行事となった
入学生歓迎会っ!!


マイク音から
大きな声で
叫ぶ放送部。

「今回は
障害物競争と
宝探しだっ!!

宝探しのルールは
与えられた紙の
ヒントを
解きだし宝を探す
単純ゲームっ!!

障害物競争は
一つ一つの障害を
乗り越え
クイズを解いて
ゴールをする

という
簡単なゲームっ!!」

「どれも
簡単なんじゃねぇか」

(確かに…)

ボソッと
放送部に突っ込む
かすみちゃん。

あたしもそれには
納得した。

「ではここで
賞金の発表だぁあぁあっ!!」

ざわざわと
周りは更に興奮し
騒がしくなった。

「なんやろ
なんやろ〜♪」

ワクワクする
亜美ちゃん。

「な、なななぁ〜んと!!
幻の
“1ヶ月間食堂の
食事無料券”を
2組のグループに
プレゼントー!!」

「「「「「な…っ!?」」」」」

あたし達のグループは
一斉に声を上げた。

「なんやてぇっ!?」

亜美

「あの幻の
食堂の料理が食える!?」


「あの1日限定100食の料理か!?」

かすみ

「「絶対に
優勝したる・するっ!!」」

ゆきなと海は
同時にハモった。

「「え…?」」

顔を合わせる
ゆきなと海。

(今…海のやつ…)

「なんや〜!!
ゆきなも俺と同じかー!!
さっすがやなー!!」

「????」

急に関西弁を
話し出した海に
あたしは
頭を悩ませた。

「関西弁出てんでー」

「!!」

亜美の突っ込みに
自分がやっと
関西弁を話していたことに
気がついた海。

「ハッハッハ!!
久しぶりに
聞いたなー
海の関西弁っ」

「うるせぇな///」

良のからかいに
照れる海。

「な、なんで…?」

(確か姫ちゃん達は
この県に住んでたよね…。)

あたしは
海を見る。

「…親父が病院の医者だからな…
小学生を卒業するまでは
大阪に住んでたからな…」

「せやで〜♪
あたしと
小学生までの
幼なじみやねんっ」

照れながら話す海に
亜美はニコニコと
話す。

「あっ、そう言えば
そうだね…
海の家って
小さい頃は
大阪に住んでたね」

小さい頃に
両親に連れられて
大阪に行ったのを
思い出したゆきな。

「で
中学を上がるとともに
こっちに
来たって訳か…」

かすみが
呟くように言う。

「俺のことは良いんだよ
今は目先の勝負っ!
狙うは賞金を
俺らのグループで
手に入れるまでやっ!!

んじゃあ
作戦会議に入るでー」

目を輝かせる海は
まさに子どもだった。

「海の奴なー
興奮すると関西弁が
出ちまうんだよなー」

呑気に言う良。

「そうなんだ…」

意外だな〜と
思いながらも
良の話しを聞く
ゆきな。

「勝負とか
ケンカとかー
後はー」

チラッと
ゆきなを見る良。

「?」

「まぁ
その内わかるって!!」

「そうだね」

良が言いたかったことは
わからなかったが
そのうちにわかる
と言う言葉に
ゆきなは頷いた。

そして…






「良いか?
この障害物競争は
同時に
行われる競争だから
それなりに
組み合わせなきゃ
ダメだ…」

真面目な顔の中に
これから起こる
勝負に楽しみさを
含む笑顔に
海はウキウキとしていた。

(まさに子どもじゃん…)

そう思いながらも
あたしも
ウキウキするものが
あった。

「さっきの
ルールは大まかだったけど
この紙に
書いてある通りなら…」

B5の紙に
障害物競争の
ルールが書かれていた。

それをピラッと
あたし達に見せる海。

「順番はこうだ…

1番はハードル
2番はパン食い
3番はボール運び
4番はコスプレ
5番は秘密

まぁ、5番の
秘密が気になるが
一つ一つの
競技が終わるごとに
なぞなぞが入る

で…
順番はこうだ」

ニッと海は笑う

「一番は
まず亜美だ」

「あたし?」

キョトンとする亜美。

「お前の新体操の力なら
走力、ジャンプ力
ともに優れてるから
大丈夫だ」

「まぁ、任せときー♪
あたしは
物がかかってる時が
一番勢力ますねんでー!!」

「んなこと知ってらー」

亜美のやる気の源を
知っている海は
それを利用した。

「んで
次がかすみ」

「あたしが
パン食いかよ…っ」

思いっきり
嫌そうな顔で
かすみはうんざりしていた。

「お前背ぇ高ぇし
運動能力は
運動部並みだし
使うとこ
使っとかなくちゃなー」

「チッ」

ブツブツと文句を
言うかすみを
放っておいて
話を進めていく海。

「んで、
3番は良なー」

「ボール運びか〜
まぁ、妥当だな」

良は当たり前のように
答える。

「俺はお前の
サッカーの腕を
信じてるからな〜
4つ、5つ来ても
平気だろ」

「おうっ!」

自信満々の良と海は
さすが中学生から
一緒に
サッカーを
してきた
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