君と出逢ってまた恋をした

□「野外生活・前編」
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「ん〜と…
あ…あ…あめんぼっ!」

「あ!?
ぼっ!?

ボタンっ!

って『ん』じゃねぇかぁあぁっ!」

「お前はバカか」

良の発言に容赦なくツッコミを入れるかすみ。

ハイキング中、無言で歩くのも暇なのでしりとりをしながら
ハイキングをするゆきなと良。
ちなみに亜美は雷にべったりで楽しみに楽しんでいた。

「つーかよ…
今時、なんでしりとりなんだよ…;」

「だーかーらー」

「「暇だからっ!」」

「そーかよ…」

異様に気の合うゆきなと良。
この1ヶ月で息あいあいの2人に飽きる海だが
気にしないことにした。

「にしても…
雨は強くなるわ
霧が濃くて前が見れねぇわで
最悪なハイキングだ…」

うなだれながらもかすみは前に進む。

「ハイキングなんてお前の柄じゃねぇしな…」

「そのセリフお前にそのまま返してやる」

「んだと…?」

「あ?」

海とかすみは立ち止まって互いを睨む。
まるでコイツのセリフは絶対に認めねぇ、と顔に浮き出るほど。

「普段有り余ってる力をこういう場所で使えって
教えてんだろーが」

「ハッ…てめぇに教えてもらうなんて
夢にも思ってなかったがなぁ」

2人の間にはなんとも
言えない火花が散っていた。
今にも殴り合いになりそうな海とかすみ。

「やめなさいってのっ!」

バシッ

「「!」」

海の頭を叩いてゆきなは2人の間に入っていた。

「後ろがつまってんだろ?
ケンカふっかけるなっ!」

恐れおおい海とかすみに説教をするゆきな。

「ここはゆきなの面に免じてお前との殴り合いはまた今度だな…」

ヒラヒラと手を振って前に進むかすみ。

「んだとぉっ!?
このチビに殴られた俺はどこに怒りをぶつけりゃあ良いんだっ!」

「誰がチビだぁっ(怒)」

ケンカを仲裁しに来たゆきなが今度は海とケンカをし始めた。

「おいおい…
何しに来たんだ?ゆきなは…;」

「2人とも大人気ないやつらだからな〜」

かすみと良が後ろを振り返りながらゆきなと海のケンカを見ていた。

「ふんっ
チビにチビつって何が悪いねん」

「悪いっ(怒)
悪いに決まってんだろーがっ!
だいたいねあんたアイドルのクセに短気過ぎんのよっ!」

雨の中2人は誰よりも早く歩きながらケンカしていた。
両者の心の中に響くのは

((とにかくこいつには負けたくないっ!))

というなんとも負けず嫌いの心だった。
端から見ればただのアホであり
小学生以下のケンカだった。

「あっ!ヘビっ!」

「ひきゃあああぁっ!」

海は話しを逸らすように幸の足元を指差す。
急に言われて幸は叫び声をあげる。

つるっ

「うわぁっ」
「あぶねぇっ」

雨で足元の土がぬかるんでいるため
慌てていたゆきなは
足を滑らせた。
それを助けようと腕を掴む



ずるずるずるぅぅぅっ

「うわぁあぁっ」
「きゃあああっ」

急な坂だった為か2人は
転がる勢いで急降下していく。


「でな〜Vv
やっぱり雷ちゃんのかっこよさはあたしにしかわからへんと思うねん」

「なにが言いたいかわかんねぇけど…
この雨ん中でよく抱きついて来れるな…っ」


うんざり顔で雷は亜美を引き離すことさえ止めて歩いていた。

「うわぁああぁあぁあっ!」

「「ん?」」

亜美と雷が突然の叫び声に後ろへ顔を向ける。

ビュンッ

「「え…?」」

2人の横をすり抜けていくゆきなと海。

「どこのクラスの奴らだ…?」

「自分のクラスの生徒やで?」

「あぁっ!?」

あまりの勢いにどの生徒か見えなかった雷は亜美の言葉を聞いて2人が走って行った方を見る。



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