君と出逢ってまた恋をした

□『雨』
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嫌い…怖いの…

だから隠す為に

あたしは

強がるの…

放ってほしいのに…














「あっか〜ん…
めっちゃ蒸し蒸ししとるやんけ…;
なんとかしーな貝柱」
「さり気にケンカうってんのか…?網取り女…っ(怒)」

「なんやてぇえぇっ!?」



亜美は思いっきり机を叩いて立ち上がった。


「やめろっ(怒)」

スパーンッ

「「!?」」

「ガッタガッタガタガタうっせーんだよぉっ!」


暑いのが苦手なかすみはただでさえイライラしているのに
目の前でケンカされれば余計にイラついた。

その為怒りが頂点に達したかすみは
海と亜美の頭を平手で殴った。

「元気いいーなぁ
あいつら」

ギャアギャアと騒ぐ3人を爽やかに笑いながら見守る良は相変わらずマイペースだった。

「ん?」

近くにいつもケンカを止めるはずのゆきながいないことに
良は気づいて周りを見渡す。

するとゆきなは窓側から空を見上げていた。

「…」

降る、よなぁ…


憂鬱気味にゆきなは外を見上げる。

「ゆーきなっ」
「!」

名前を呼ばれ、振り返ると良が近くにいた。

「どーしたんだ?
ゆきな」
「あ…雨が降りそう、だな〜って」
「あ〜…そうだなぁ」

良とゆきなは互いに空を見上げる。

「うっわ本当じゃん」

ズシッ

「!?」

ゆきなの頭の上になにかが重くのしかかった。

上を見上げるゆきな

「ぎ、ギャアアアッ
あたしに近づかないでよー!」

手足をバタバタと動かすゆきなの頭の上には
海がのしかかっていた。

この前の一件からゆきなはひどく海に警戒心を抱いていて
近づくこともなるべく避けていた。

「俺、傘忘れたから
帰りは一緒に帰ろーなっ」

ニッと笑う海。

「誰がたらしと一緒になんか帰るかっ!!
あんたなんか濡れて帰れっ!」
「んじゃあ俺が風邪引いたらお前が俺の看病しろよ?
手取り足取りな?」
「な…っ!?///」

ドS魂をゆきなに解放する海。
ゆきなは海の言葉に頬を染める。


「ぜ、絶対にあんたとなんか一緒に帰らないからっ!!」

そう言ってゆきなは窓際から離れて
かすみと亜美のいる所まで戻った。


「あんまりゆきなをからかうなよー…」

ゆきなを
からかう海を良は
頬杖をつきながらいう

「からかう?
そりゃ心外だぜ?良」

ニッと悪戯に笑いながら
海は良に笑った。

(ありゃ
なにか考えてるとしか言えねえな…)

良にも海が何を考えているか
果たしてゆきなに本気なのかわからなかった。

(まぁ…しばらくは
様子見だな…)

そんなことを
頭の隅で良は考えていたのだった。




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