君と出逢ってまた恋をした

□『涙』
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わかってるんだ

自分が一番勝手なことは

でも、認めたくない

認めてしまったら

今まであたしがやってきたことは

なんだったんだよっ

ドンッ

壁を思いっきり叩いてあたしは立ち止まった。
全速力で走った為、
息は切れ切れだった。

でも、今はそんなこと気にしてられなかった。

「はぁっ…ひっ…く」

最悪だ…っ
海に見られた

今まで誰にも見せたことなんてなかった

泣いてる姿なんて

どんなことがあっても
絶対に泣かないって
決めてた…。

なのに

「なんで…
ほっといてくれないんだ…っ」
「ほっとけねぇだろ…
こんなわかりやすい奴…」

無意識に走り出してた場所は屋上で
あたしの行動なんて
海にはお見通しみたいで
振り解く力さえ与えないくらい
あたしは海に抱きしめられていた。

「ごめん…ごめんな?」
「うっ…ふぇえぇっ」

海は悪くなんてないのに
なんで海が謝る必要があるんだろう

謝るのはあたし

ごめん

ごめんね?

ずっと我慢してたのは

あたしの方だったんだ

知ってた

気づいてたよ?

でも、ただ認めたくなかった

認めたくなかっただけなんだ…。











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