君と出逢ってまた恋をした

□『VS』
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朝の教室に徐々にクラスメイトが
登校する中、朝練で既に教室にいる
海と良はいつもの女子3人がいては出来ない会話をしていた。

「どーよ…
俺はさり気なく告ったのにも関わらず
友達として好きだととった
あの鈍感の天然女の発想は…」
「いや、そこがゆきなのいい所じゃん?」

やや落ち込み気味の海に対し
良は至って普通に海の会話を聞いていた。

「いい所だと…?
鈍感も天然もな使い用によっては
相手に深いキズをえぐるという
「あかんあかんっ!
絶対あかんっ!」


「あ?」

聞き覚えのある声と話し方に海は顔をあげる

バンッ

「「!!」」



クラス中の人物が
激しいドアの開け方に
ビクッとしていた。

「なにあんなに怒ってんだ?」

海は入って3人の姿に呆れていた。

少し怒っている亜美に
たじたじのゆきな
何にも同じていないかすみが普通に教室に入る。

「なんか言うたれっ
バカ貝っ!」


「お前がいきなりケンカふってきてんのは
わかるがな…(怒)」

イラついている亜美は主語などなしに
海に暴言を吐く。

「なにがあったんだ?」

「あ…あのね…」

良の質問にゆきなは答え始めた。











「えっ!?
2週間後に行われる武道大会の全種目に
出場するっ!?
ゆきながっ!?」
「う、うん…」

あたしの話しを聞いて良は目を丸くする。

「あたしやてな?
一種目なら
ええんやで?
せやけどゆきなは
空手、柔道、剣道、合気道、弓道の全種目出る言うねんでっ!?
絶対にあかんっ!
相手は男のが多いねんやからケガでもしたら
どーすんねんっ」
「母親か」

ゆきなの全種目出場を
必死に拒む亜美に
かすみはただツッコムのみだった。

「亜美がいいたいこともわかるけど
あたしも久しぶりに体動かして手応えを感じたいなーって思うんだ!
だから武道全種目4段のあたしにとってコレは
挑戦と目標でもあるのっ!
それに…優勝賞金がゆきとのデート権って言うのも気に入らないしね

ゆきとのデート権は
あたしが獲得するんだからっ!」

目を輝かせて
あたしはいつもより早口で熱く語る。

(この前のお礼にゆきとのデート権を
海にあげなくちゃねっ)

「てかよ…全種目も出てたら
時間間に合わねーんじゃねぇの?」
「ううんっ
間に合うんだよね
全部その場所でやるから
移動に時間掛かんないし
服装は自由だしね♪」
「ふーん…
じゃあ俺も出るかな…」
「はぁ!?」

さも当たり前のように
海は言った。
その言葉にあたしは驚いた。

「あんたやったことあるの…?」
「さぁ…どうだろうな?」
「ムッ」

ニヤッと意地悪い笑みを浮かべる海に
あたしはムカついた。

「じゃあ剣道に出場しなよ…
武道の中であたしが一番大好きな種目だ
あたしは決勝戦まで行く
そこで一勝負しようじゃないか」

ニッと笑った。

(勝つ自信はあるっ)

「おい…海、
お前マジで出るのかよ」

良がゆきなに聞こえない声で海に聞く。

「まぁ、やつが剣道を希望して来たんだ
出るって言ったんだ
二言はねぇな」

意味ありげな笑みで海は強気な表情で良に微笑んだのだった。









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