君と出逢ってまた恋をした

□『告白』
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「うっわぁ〜Vv」

着いた瞬間、あたしはトロピカルランドの構造や雰囲気に一気にはしゃぎ出した。
何たって遊園地は12年振りくらいだったからだった。

「さっきのツンデレはどこに消えたんだ?」
「う、うるさいなっ
第一あたしはツンデレじゃないってのっ」

ニヤニヤと悪戯に笑う海にあたしはそっぽ向いた。

「…んで?
どれに乗りたいんだ?
ゆきなは」
「え…?」
「え、じゃねぇよ
乗りたいのくらいあんだろ?
お前のあのはしゃぎようからなら…」
「う…っ」


たしかに海の言う通りだった。
あたしは乗りたい乗り物がたくさんあった。

それは…。

「じ、ジャングラードラゴンに乗りたい…」
「は…?」
「だ、だからジャングラードラゴンだってばっ」

ゆきなの提案した乗り物はこの遊園地で
No.1の乗り物である絶叫系のジェットコースターだった。

「なに?もしかして
怖い訳?」
「な…っ!?」

ゆきなの表情は一気に海をからかう笑みへと変わった。

そして海は

「なわけねぇだろーがっ
てめぇと一緒にするなっ」

強気な態度をとるが
バレバレだった。

「ふ〜ん…
なら、問題はないねっ
Let's GO-!」

だがしかし、
ゆきなは
それを逆手に取って
にっこりと笑いながら
海の手をとって
ジャングラードラゴンがある場所へと走り出したのだった。


















「いやぁああぁああっ!」
「うわぁああぁああっ!」


まさにジェットコースターの醍醐味と言わんばかりの
急激な急下降の真っ最中
2人は涙ながらに叫び声を高らかに上げていた。



数分後



「「…っ…」」

2人はぐったりな顔して
ジャングラードラゴンから出てきた。

「…おい…
絶叫系は大丈夫じゃねぇのかよ…」

真っ青な顔で海はゆきなに声をかける

「あたしも12年振りに乗ったから感覚を忘れていたよ…っ」

まさか時代はここまですごい
ジェットコースターになっているとは
ゆきなは予想もつかなかった。

「そ、それにお尻が浮いたんだよっ!?
それが一番のビックリだよっ!

やっぱり数年ぶりで
余裕ぶっこいて楽しんでる場合じゃなかったわね」

ゆきなはブツブツと何かを呟いていた。

「ってことで
今度は違う絶叫系に
乗りに行こう?」
「はぁっ!?」

一気に絶叫系がダメになったかと思ったが
海の考えは甘く
むしろゆきなは
久しぶりのジェットコースターの感覚を思い出し、ウキウキと目が輝いていた。

(うわ…こーなったら
ヤバいだろ…)

海はスッゴくいやな予感が頭によぎった。


「ということで
絶叫系という絶叫系を
乗りまくるぞー!」

いきなり意気込んできたゆきなに海は
わけがわからなくなった。

だが、一度決めたこうと決めたゆきなは
意地でも意志を曲げないのは知っている海は
ゆきなの背について行くしかなかった。












そして時は
数時間と経った。












「ふっわぁ〜Vv
最高だねー」
「ふ、復活してやらぁ…」

長年眠っていた
絶叫系への素晴らしさの感動を
ゆきなは甦らせたようだった。
ゆきなにつき合わされた海は
朝と違ってやつれていた。

「だらしないなー
男だろ?
もっとシャキッとしなっ」
「お前が異常なんだよ気づけよ…」
「よーしっ
ご飯食べたら再び絶叫系巡り開始ねー」

いつの間にやらゆきなはトロピカルランドを楽しんでいて
無邪気に海の前で笑っていた。

「まぁ…らしくていっか…」

海はこの目の前で笑っている女の子に
今日はとことんつき合おうと思ったのだった








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