君と出逢ってまた恋をした

□『本当はね』
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『だってとっくん
すごいのっ
鳥さんみたいに自由にはばたいて
ゆきをたのしませてくれるんだもんっ』


そう満面の笑みでゆきは言っていた。

「まさかそれがあんな場所に連れて行ってるなんて
知らなかったけどね」
「は、ハハハ…;」

ギロッと思いっきり海斗兄を睨みつける。

「ゆきが売れっ子だからなによ…
売れる前から好きなもん同士なんだから
良いじゃない、
先のこと考えるだけ無駄だよ

だって、ゆきは
今の海斗兄と一緒にいたいんだもん

苦しくても辛くても
ゆきは不器用な海斗兄と一緒にいたいから
会いに行ったり、来るの…」

なんにも考えてないに
近いのかも

でも、
それが星安 ゆきの
生き方なんだもん

誰にも文句は言えないよ。

「ただでさえ
年齢で壁越えてんだから
今さら怖がることも
ないでしょ

海斗兄の壁なんて
ゆきの告白を受け取った時点で崩壊されてんのよ…

だったら、
変なプライドなんて
いらないでしょ?」

ニッと強気の笑顔。
それはどこか
彼女の父親を思わせるような自信満々の時の表情に似ていた。

「まったく…君には
相変わらず適わないね…」
「当たり前
あたしからゆきを
奪ったんだから
このくらい言われて
当然よ」

「素直に、なってみようかな…ボクも」
「そーそ…
不安にさせないであげてよ…
あの子は誰よりも
純粋で繊細なんだ…
傷つけないでやってよ…
海斗兄…っ」
「泣かせてばかりだね…今日は…」

海斗兄に涙を見られないように
海斗兄の胸にしがみついた。
だがバレてたみたいで
海斗兄は『ごめんね』と呟いて『幸せにするから』って言って
あたしの頭を優しく撫でてくれたんだ。


「ねぇ、海斗兄…
あたしにキスする前に
一度ゆきが寝てる時に
キスしてんでしょ」
「ぎくっ;」
(やっぱり
考え直そうかな…っ(怒)







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