君と出逢ってまた恋をした

□『うみ』
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梅雨もあけ
7月の上旬

生華高校は
第3回目の行事を
で行っていた。


「さぁー
記念すべきボクの初行事企画っ!
言わずとも皆がボクに期待をしているのは
わかるっ!
だがしかし、
そんな期待を上回ることが出来てしまうのがこのボクなのだよっ!
ハッハッハッ」
「あんのどアホ(怒)
ベラベラベラベラと
炎天下の中喋りやがってっ(怒)」

海斗がベラベラと話すなか
海はあまりの暑さに
イライラしていた。

「海斗兄さんだからなー」

良は炎天下の中でもやはり呑気だった。

「あーつーいぃ」
「早くしろ(怒)」
「慣れやろなー…」

犬のようにうなだれているゆきなに
海同様にイライラするかすみ
平然としている亜美は
制服にも関わらず
暑い日差しを浴びていた

「ではこの行事の
ルールを説明しようっ!
ボクの組んだ男女ペアで
ボクの出す指令をクリアしていただきたいっ
指令の内容は
随時アナウンスで
放送していく為
聞き逃さぬようにっ
見事、ベストカップル賞に
選ばれたペアには
豪華商品っ!
『Rainbow』のライブチケットをペアで
差し上げようっ!」
「!」

ピクッとゆきなは反応した。
「れ、Rainbowの
ライブチケット…」

ポツリと呟きながら
ゆきなは前にいる
海斗を見つめる。

「…」

そのゆきなの反応に
海は沈黙の中
ゆきなを見ていた。

「ではでは
ここで男女ペアの発表だよっ♪
クラス担任、副担任を含めても男女ペア可能となるため
誰にあたるかわからない楽しみペアだっ
ペアを変えた者は
最大級の罰ゲームがあるのでしないよーにっ
では男女ペアを
確認したのち
水着に着替え、
10時にゲームを開催するっ
解散っ」

ざわざわとざわつきながら
自分たちの相手を見て
キャアキャア騒いでいる人ばかりだった。

















「…ちょっと…
どーいうことだ…」

自分のペアの相手を見て
ゆきなは言葉を発す。

「なんっっっで
あたしのペアの相手が
なんだっ!!」
「仕組まれてんに決まってんだろーが
今回の周りのペア見てみろよ…」
「え…?」


ざわめく中でゆきなは
他の人のペアを見る。
よくよく見ると
つき合ってる者同士のペアや
両片思い中のペアばかりだった。

「どーせ兄貴のこった
それなりに
近辺調査して、
みんなが納得いくような
ペアを作ったに
ちげぇねぇよ
兄貴は自分のことには
疎いが他人のことには
口うるせえくらい
うざいからな

まぁ、言い換えれば
自分が公私混同してやがるから
文句言われねぇように
しただけなんだけどな…」
「え…?」

よく見ると海斗兄の近くには
本日見学のゆきなとアナウンス席で
喋っていた。

「あの2人…余裕か…;」

海斗兄の真実にあたしは
呆れてしまった。
さすが海、兄の考えていることを一目散に気がついたのだった。

だがしかし

「でも、あたしの気持ちは
組んでくれてないね(怒)」
「つーかよ…
俺の何が不満なのよ?」
「(怒)」

自信満々で自分を指さす海に
前回のことを思い出させてやろうかと思った。

「…別に…あたし、
全てを許した訳じゃないからねっ!
それだけは覚えておきなっ」

ビシッと海に指を突きつけてやった。

「わぁってるよ…
早く着替えねぇと
開始しちまうぜ?
優勝…狙いてぇんじゃねぇの?」
「う゛っ…
わ、わかってるよっ!
バカ貝に言われたくないってのっ!」

そう捨てぜりふを放って
ゆきなは更衣室へと向かった。











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