君と出逢ってまた恋をした

□『花火』
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今日は終業式があって午前中で終わり
午後からは学校の都合で全部の部活が休みだった。

ゆきはモデルの仕事でマネージャーさんが迎えに来て車で帰ってしまい、
あたしと海、かすみ、亜美、良の5人で最寄りの駅まで歩いていた。


「なぁなぁ
今日ってM区の祭りがあるってほんまなん!?」
「あ…そう言えば今日だったね」

亜美の言葉で思い出したあたしはそう伝えると

「ほんまっ!?
ほなら行こうやっ
あたしとゆきなと、かすみやろ〜?
あんたら男子2人も参加やで?」
「祭りかー楽しみだなっ」
「そうだな
今年初の祭りにでも行くかっ」

案外のり気の海と良

「あたしはイヤだ…
あんなクソ人が多いとこなんざ」
「あんた祭りの醍醐味忘れてんとちゃうんっ!?
屋台やで屋台っ!
これを逃すバカは世界にあんたくらいやっ!」

必死になってかすみを説得する亜美だが
そんな言葉で通じるのだろうかと心配していると

「…そうか…屋台があったな
んじゃあ参加で」
「相変わらずだなぁ
てめぇは…;」


全く心配はいらず
海は呆れていた。

「で?ゆきなはどないするん?
もちろん来てくれるやろ?
だってゆきなは地元民やもんなっ!」
「あ…ハハハ」

あまりにすごい勢いの亜美にあたしは返答に迷った。

だが

(でも…今年は1人じゃない…)

「い、行こうかな…?」
「よっしゃっ!
ほんならみんな浴衣で来るんやでっ!?」
「え…?
あ、あたし…持ってないよ?」
「マジかっ!」

最後に着たのは小学生高学年の時だった
到底無理に決まっていた。
そんなあたしの言葉に亜美は目を見開いた

「だったら俺の母さんの…
「あかんっ!
ゆきなの浴衣の楽しみは海に先に見せたらへんっ
あたしん家に来る?
あたしのおかん何着か浴衣持ってるし
どうせならかすみも来たらどない?」
「あ〜…んだな
浴衣がどこにあんのか
まずわかんねぇしな」
「で、でも…迷惑じゃないかな?」
「全然っ
あたしのおかん、めっちゃゆきな見たい言うてたんやで!?
大丈夫やっ」

突然お邪魔してしかも浴衣まで貸してもらうなんて
いくら親友だと言っても親に会うのは初めてだ
緊張が募るというものだった。

「ちゅーわけであんたら
2人は現地集合なっ」
「「げ、現地集合っ!?」」

亜美の提案に海と良は目を見開く。

「たぶん見つからないと思うよ…逆に」
「あたしもそう思う」

行ったことあるゆきなは
それが手にとるようにわかった。
かすみも現地集合はだいたい見つからないとふんでいた。

「ん〜…どこがええんやろ」
「ちょっと歩くけど近くに図書館があるんだ
そこなら多分、みんなわかると思うしそこで待ち合わせは?」
「それならいいかもな」

ゆきなの意見に賛同する海。

「んじゃあ
図書館に決定ーっ
じゃあ4時半に待ち合わせやでー!」

亜美のお祭り計画がきまり
あたしは久しぶりのお祭りに楽しみだった。

(久しぶりに近くで花火見れるんだ…
しかも、みんなと…)

あたしはそれだけで
ワクワクとした気持ちが胸の中で膨らんでいったのだった。











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