君と出逢ってまた恋をした

□『練習試合』
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生華高校

「よしっ
今から1時間休憩にする
他校の迷惑にならないよう
時間厳守の行動をするようにっ
以上だ」
「はーい」

12時の炎天下のグラウンドでは
生華高校と大楽高校の生徒、顧問がいて
合同練習を終えて
雷ちゃんの指示で休憩時間に入った。

「良〜…
コンビニで
2リットルの飲み物
買いにいこうぜー」
「賛成ー」
「んだ…
じゃあ差し入れは
いらなかったみてぇだな…」
「「え…?」」

合同練習を終えて
飲み物がないことに気がついた海は
良を誘ってコンビニに行こうとするが
予想だにしなかった声に海と良は不信に思い
後ろへ振り返った。

「よっ」
「「!?」」

あらわれたのは
迷彩柄のタンクトップに
網のタンクを重ね着し
七分丈の黒のズボン、
サンダルに
鍔の付いた帽子を被り
しゃがんでいた
海と良を上から見下ろしたかすみがいた。


「なんでてめぇがここにいんだよ…
さては熱でやられたか?」
「2リットルのジュースで
顔面殴られてえみてぇだな」

海とかすみの会話はまるで漫才のような輩のようなやりとりだった。

「で?亜美は雷ちゃんの所だとして
ゆきなは?」
「さすが
そういうことには勘がいいな良」

「褒めてんのか…?」
「まぁ、一応」
「;」

否定はしないかすみに良は呆れていた。

「ゆきなも私服で来てんのか?」

ゆきながいるとわかった海は何かに気がついたような顔になっていた。

「今、どこにいんだよ」
「あ?」

かすみは海の言葉がよく聞き取れなかったのか
聞き返す。

「だーかーらっ
ゆきなは今、どこにいるんだって
聞いてんだよっ(怒)」

「元気いーなー…
うぜぇくらいに」

勢いで怒る海など気にせずにむしろかすみは
海に暴言を吐きまくりだった。

「ゆきななら
『学校行くならついでに
台本持って帰る』って言うから
部室に行って今頃こっちに向かってんじゃねぇか?」
「…迎えに行ってくらぁ」
「はいはい」

すくっと立ち上がってゆきなの部室まで迎えに行くとかすみと良に言って去ってしまった。

「たく…
昔のアイツと今のアイツが同一人物だなんてありぇねぇな」
「確かに;」

海の過去を知ってる2人にとっては
今の海の姿が信じられなかった。

そんな海の背中をかすみと良は見送ったのだった。




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