君と出逢ってまた恋をした

□『美味しいね』
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夏の暑さは続くが
暦の上では既に秋であり
9月を迎えた。

ゆきな達は2学期を迎えたのでした。

2学期は生華高校にとっては行事満載の時期である。
正直、授業より行事のが多いのでは…?
というくらい
2学期は行事満載だった。

そんな生華高校の
2学期始まってからの
第一回目の行事は
9月終わりに3日間ある文化祭について
実行委員会を中心にして行われていた。












「ほな、出し物決めるでー
あたしら一学年が出せる出し物は
食べ物屋や
まぁ、食べ物屋いうても外でも中でもええねんけど…
外でやるもんと中でやるもんで
優勝狙えるか、ちゅうのもかかってくるさかい
負けたらしょーちせぇへんでっ!」
「はいー
意見のある人お手上げー」

実行委員会である
亜美と良。
亜美は祭りごとが大好きっていうのと
賞金がかかっていれば燃えるという理由で実行委員に参加した。
良に至ってはただ、なんとなくだった。
祭りごとも嫌いじゃないし、余ってたので良は参加した。

そんな燃え上がってる亜美の熱意に対して
良は進行を進めていく。

「せっかくクラスに
有名人が2人いるんだから
この2人を使わなきゃ損だよねっ」

クラスの女子がそう言い出す。

「あ〜…
そら、あかんな」
「えー!?なんでっ!」

なぜか教壇の上にある椅子に座る亜美は
女子の意見に反対した。

「今回の文化祭のテーマは3つ
1つは『クラスのみんなで作ること』
2つ『アイデアを生かすこと』
そして3つ『芸能人の頼りは禁止』
この3つが今回のテーマや
しかも顧問は“あの”海斗先生や…
ちょっとやそっとのアイデアじゃあ靡かへんで?
高校生らしさを求めつつ、かつ
新しい発想を表したものを作り上げへんことには
あの男はガッツリと首を縦に振らへんっ!
せやから生半可な気持ちでやりよったら
あたしがバッキバッキのボッキボッキやからなっ!」

クラス全員にそう宣言する亜美。
まさに私情の入りまくった説明だった。

「あいつこういうの
めっちゃ盛り上がるタイプだよな…
しかもめんどくさいくらい厄介だ…;」

かすみは半ば呆れてものが言えない感じだった。

「でも、文化祭かぁ〜♪
なんだか楽しみだねぇ〜」
「あんたはジッとしとかないとダメだよ
すぐに巻き込まれるんだから;」
「えぇーっ!
そんなのつまんなぁあぁいっ!」

足をバタバタとさせる。

「子供じゃないんだから
それは止めろっての(怒)」

ゆきの子供っぷりにゆきなは世話を焼く。

「つか俺、仕事あるかも…」
「…海、仕事なの…?」

驚いた表情でゆきなは海を見る。

「ああ…もしかしたら、だけどな」
「…そっか…」

(海仕事なのか…)

残念そうにするゆきな。
かすみとゆきは
そのことに気がついていた。

「なに?俺がいないの寂しい?」
「な…っ!?
んなわけないっ(怒)」

顔を真っ赤にして
海に図星を突かれたゆきな。

クスクスと笑う海。
海はゆきながウソをついているのがわかっていた。

(なんの余裕だよ…っ)

赤く火照った顔を冷やす為に
ゆきなは頬を抑える。

「海ちゃんってば
本当にゆきなちゃんに
意地悪だよねぇー
ゆきのゆきなちゃんに
触らないでよねー」
「んだと…
チビ(怒)」

(また始まった…;
無視無視)

ゆきと海のケンカを放り出して
ゆきなは止めるのをやめて
亜美の話を聞くことにした。

「学生らしさ言うたら
やっぱりコスプレやとちゃう?」
「えぇっ!?
コスプレ!?」

亜美の提案にざわつく声が聞こえる。

「コスプレ言うても
一通りやとつまらんし
ありきたりになってまうからな…
コスプレの格好は
なんでもよし
言うならば
男子は女装
女子は男装ちゅうんはどうやろ?」
「男子が女装とか
面白くない!?」
「女子の男装かー」

追加の付け足しを聞いてクラスのみんなは
さらにざわつき始めた。

「後は出し物やなー
あんまり大事過ぎる
料理は出来る人が限られてくるからなー…」
「ありきたりのは
つまらないしなー…
普段出来ないようなのが良いよな」

亜美と良は肝心の出し物に頭を悩ませていた。

「だったら…
和洋中華の3点出る
レストランとかはどう?」

そう言い出したのは
ゆきなだった。

「1種類しかないけど
和、洋、中華のランチを1人500円くらいで作るの
ランチを食べたくない人もいるから
店の外でおにぎりをちょこっと買う所もあれば素敵だけど」

「ゆきな料理美味いもんなー」
「ちゅうことは…
家庭科室前の教室付こうて
家庭科室で料理作れば大丈夫やなっ」

ゆきなの提案に
良と亜美がどこの教室を使ってそれが出来るか
考えていた。

「でも、和洋中華のランチって
作るの大変じゃない?」

女子がゆきなの提案に疑問をぶつけた。

「そんなことないよ
メニューさえ決まれば
前日に全部下ごしらえして作ることも全然
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