君と出逢ってまた恋をした

□『決意と思い』
1ページ/9ページ



生華高校の文化祭まで
残り14日

2週間前に迫った文化祭。
他のクラスも出し物が決まり
いろいろな準備に取り組んでいるなか
1ーFは
家庭科室で実際に使うメニューの試食を行っていた。











家庭科室

「まず和ね」

2週間前になるまでの間、練りに練り込んでアイデア料理を考えたあたしは
和、洋、中華の順番に発表することに決めた。


「和はサラダは
ごぼうのゴマ味噌サラダ、汁物は豚汁にご飯
メインはさつまいもの豚巻きだよ
デザートは抹茶の最中アイスっ!」
「へ〜
美味そうやなぁ〜Vv」

ごぼうのゴマ味噌サラダは
ごぼうをささがきにして
酢と塩を加えたお湯でサッと茹でる。
そのあと味噌、酢、水、サラダ油、砂糖を合わせてごぼうに敢えて
ゴマとクレソンを添えれば完成。

さつまいもの豚巻きは
さつまいもを1センチ角の短冊切りにし
3分間、レンジで温める。
豚肉に塩、こしょうをしてさつまいもとインゲンを巻く。
フライパンに油を引いて焼き目がついたら
オイスターソースをかけて下に適量のレタスを敷いて上に豚巻きを乗せれば完成だ。


和の料理に感心するクラスメイト
亜美はどうやら和食派だった。
試食の途中、
あたしは次の洋への
説明をする

「洋は
えびとアボカドのサラダ
スープはコンソメオニオンスープにご飯かパン
メイトはチキンとトマトのグリル焼き
デザートはバナナプリンです」

えびはボイル用を使用してアボカドは皮を剥いて
種を取り1センチ角に切り
混ぜ合わせた醤油、はちみつにつけておく
他、きゅうり、玉ねぎを細かく切り和える。

「うっわぁ〜!
やっぱり洋に限るよな」

和を試食していたクラスメイトも再び洋を試食し始める。
良が洋を気に入ってくれたようだった。

そして最後の中華

「中華はサラダが
豆腐の中華風サラダ
スープは坦々風スープに炒飯の小で
メインはにらしそ餃子に
デザートは杏仁豆腐です」


豆腐の中華風サラダは
器に2センチくらいに切った絹ごし豆腐を盛り、
細かく切ったピータンに枝豆、白ネギを合える
トマトを半月切りにし
豆腐の周りに飾る
最後に醤油、酢、ごま油をかけ回せば完成。

「やっぱり中華は炒飯に餃子だよなー」

クラスメイトのみんなはガツガツと元気よく
中華も試食してくれた。
かすみは中華を絶賛してくれた。

「どう、かな?
これなら前日に下ごしらえ出来るものだらけだし
デザートとサラダ、メイトは3つに分ければ
きっとすぐ作れちゃうと思うんだ」
「まぁこれやったら
全員が作れる権利はあるしなー」

うんうん、と頷く亜美はまだなにかを食べていたが気にしないことにした。

「ほなグループ分けして
一週間前に
一回作ってみたらええやんなっ」
「そうだな
その方が時間も大幅に使えるしな」

実行委員の亜美と良は賛成の様子。

「海とゆきってどーすんだ?
あいつら今日、仕事だろ?」

片づけをするかすみがふいにあたしに聞く。

「海には先に食べさせてるよ…
ああ、後ゆきには料理させないで
文化祭が狂い出すから」

極々自然に言った。

「は…?それは
顧問がか?それとも本人がか?」

だがさすがかすみ
そういうボケていないボケにツッコミをいられずにはいられなかったみたいだった。

「どっちもかなー
顧問はとりあえず問題外だし
本人はどうも慣れてないのか
ドジなのかわからない動きするしさ…
もう、マジ困るわ」
「そ、相当みてぇだな…
ゆきの奴…;」

遠い目で語るゆきなに
かすみはいろいろと察したようだった。

あたし達クラスは食べたものや使ったものを片づけて各々と部活やバイト、帰宅へと
向かったのだった。

部活の為、早めに片づけようと部活着で
下駄箱へ続く廊下を走る。

「やっぱり無謀だって
相手は
本物のアイドルで
モデルだよ?」
「だからじゃない
あんな子より
私の方が絶対に海くんに合うわっ」

(海…?
この声は…)

あたしは足を止めて声がする方へ耳を潜めた。


「菜々美…あんたって本当にイケメン好きだよね〜」
「当たり前じゃない
あたしの可愛さにぴったりなのは
イケメンしかいないわっ」

(やっぱり菜々美ちゃんか…)

いつもと口調が違う為、
一瞬誰だかわからなかったけど
海をいっつも追いかけてる菜々美ちゃんだった。

(でも…菜々美ちゃんのいうあんな子って…)

「海くんだって
あたしの方が
いいわよ
なんてったって可愛いしっ」
「;」

(アホらしい…
構ってる暇ないな
部活行こう…)

菜々美ちゃんの言葉に呆れたあたしは部活へと向かった。

「…だから邪魔な人は排除しなくちゃ」

そう菜々美は黒い笑みでなにかよからぬことを考えていたのだった。











_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ