君と出逢ってまた恋をした

□『学園祭(1日目)』
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今日から3日間、
生華高校は学園祭だった。

二学期の最大イベントの一つといっても過言ではないくらいだった。
実際にバルーンや白鳩は飛ぶは、花火まで上がるというまさにどこかのパレードか遊園地のような学園祭だった。

1日目は学校で行う学園祭。
2日目は講堂を借りて文化部や上級生による為の文化祭。
3日目は一番盛り上がると言われている
体育祭だった。

3日目には後夜祭が行われ
学園祭、文化祭で一番盛り上がったクラスの発表など
キャンプファイヤーがあった。

そして開店する1時間前。
あたし達
全校生徒は
体育館に集まって
生徒会顧問である
海斗先生の話しを聞いていた。

「さぁさぁっ
皆の衆よ
今日は待ちに待ち焦がれた
学園祭の始まりだっ!
浮かれに浮かれまくって
一般人との破廉恥行為はタブーなので
破廉恥なことはしないようにっ!
まぁ、ナンパは良いけどねっ」
「ほんまかっ!
ほな、逆ナンもありやなっ」
「なに海斗の話しを
受け止めてんだ」

相変わらずの海斗先生に
便乗する亜美にかすみは呆れていた。

「ほんとは長々と話したいことが
富士山のごとくあるのだがそれを話してしまうと
君らに与
えてあげる時間が
大変短くなってしまうのでね
感謝したまえっ!!」

なぜか得意げに話す海斗先生。しかも指を全校生徒に突き向けている。
正直いろいろとツッコミたい所が満載だ。
だが海斗先生に構っているとろくなことにならないとこの学校の全生徒が思い知っていた。
その為、高らかに笑う海斗先生はみんな放置していた。

(いたたまれない…)

「ではでは
本題に入ろう
この学園祭のルールをお話ししよう

どのクラスが一番
派手で楽しめるかを
学園祭側と文化祭側で
1つずつ決めたいと思う

学園祭側は明日の帰りまでに出すこと
文化祭側は明後日の帰りまでに出すことが条件だっ

1人でも出ていなかった場合はそのクラスの評価からマイナス1する

1人につき-1ということなので10人出さないと-10になるので
他人に迷惑をかけることをしないよーに」


(((あんたが言うな)))

全生徒がその瞬間、思ってしまった。

「そしてここからが
本題だ…
学園祭中の特別ルール

1つは仲間を傷つける行動、言動は厳禁だ

2つめは協力し合って何事も進めることだ

3つめは一般人に暴力をふらないことだ

以上
クラスのみんなが全員
楽し
かったと言える、学園祭にしたまえっ

では解散だっ」

解散の合図が出た瞬間、生徒達は盛り上がり出した。

「よっしゃっ!
早速、開店の準備やで!」
「はりきってんなー
お前…」
「当たり前やん
あたし祭りめっちゃ大好きやし」

ルンルン気分の亜美はまるで早くやらないかなという感じ。

「やっぱりあのどアホ
ムチャクチャな演説ばっかりしやがったな…」

海が海斗に対してぶつくさと文句を言っていた。
それに対して

「そーか?
俺は笑えて面白かったけどなー」

相変わらず能天気な良。

「あれ…?
そーいや、ゆきなとゆきは?」
「いねぇのか?」

かすみと海は周りをキョロキョロと探しながら
その場にいないゆきなとゆきを探す。


「あ、いた…」

よく見るとゆきなとゆきはまだ体育館の入り口の隅にいた。

一番最初に見つけたのは海だった。











「うぅ〜なぁ〜い」
「確かにあたしの隣りにいたよね…」

あたしとゆきは靴箱にちゃんと入れたはずのゆきのスリッパが無いことに気づいて探していた。

「ど、どぉしよぉっ
ゆき、裸足で歩くのいやぁあぁっ」
「わかってるよ
とりあえずあたしの履いときな
あたしは
学校のスリッパ借りるから」

そう言ってあたしは
ゆきに自身のスリッパを渡して
学校用の薄いスリッパを履いた。

「どうしたんだ…?」
「どうしたもこうしたも
ゆきのスリッパが…

問いかけに応えようと振り向いた。

「!!」

(か、海っ!!)

パッとあたしは海と真逆の方へ向いた。

「ゆ、ゆきのスリッパが…無くなったんだよ」
「は…?マジかよ」

海も周りをキョロキョロと探す。
しかしゆきのスリッパは見当たらなかった。

「なぁ、ゆきな…
ゆきのこれってイジメだと思うか?」
「わからない…
けど…いじめにしてはなんか違和感がある…
もう1つ考えるとしたら…ストーカーの方が高いな…」

ゆきの制服を切り刻むのもゆきのスリッパを盗む。
全部、ゆきのものを取っていった。

「大丈夫っ大丈夫っ!!
ゆきにはゆきなちゃんがいるんだもんっ
それより早く着替えて教室行かなくちゃ!」

あたしの手を引いてゆきは笑顔を見せる。

(無理、してないよね…?)

逆にここまで笑顔なゆきがあたしには違和感があった。
ゆきは天然だけどストーカーくらいは理解していた。

「まぁ、ゆきがああならとりあえずは見守るしかねぇんじゃねぇ?
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