風影様の事情

□我愛羅様宝クジを買う
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夕刻の砂隠れの商店街は買い物客で賑わっていた。
いつもより少し強い風が、砂隠れの里を吹き抜けては人々の足を止めるのだ。


たまに飛んできては顔に張り付く紙切れに悩まされながら、そんな里を肩で風を切って歩く我愛羅様がいた。


水姫チャンのバイト先に向かう為に。




すると


「あの風影様‥この子と握手をしてもらえないでしょうか?」


一組の親子から声をかけられた。


砂隠れではカリスマ的存在の我愛羅様ゆえ、人々から握手を求められる事もしばしばで今も快く応じてはいるが、無表情なのが怖い。(無償に)
だからか、近寄ってきた幼児が泣いてしまった。


『す‥すまないι』


握手してもらう為に必死な母親と、全身全霊で嫌がる幼児に戸惑いを隠せない我愛羅様。
自分は何も悪くないが、何故か罪悪感に苛まれる我愛羅様がいた。



 
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