落第忍者乱太郎/忍たま

□第五ノ巻
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「長烈だ。
 入っても?」

「はい、どうぞ。」

自室で書物をしていると、

黒鷲隊小頭の押都長烈さんがお見えになった

「長烈さん自ら、どうかしましたか?」

「君に任務を任せようと思ってね」

「任務・・ですか。」

長烈さんからなんて珍しい。

いつもは山本さんか、高坂さん。

雑渡さん自ら任務が言い渡される

黒鷲隊からの依頼だ、なにかよからぬ情報でも

仕入れたのかもしれない

「この者だ、頼めるか?」

「・・・これはまた、珍しい。」

渡された人相書きには美しい女性が描かれていた

「女相手は初めてか?」

「えぇ。今までの依頼は男性でしたから」

「できぬか?」

「いいえ。
 この任務、しかと承りました。」

男だろうが女だろうが関係ない。

私はただターゲットを殺すだけだ。

「いつものように
 この女の現在地であろう場所はこの紙に書いてある」

「・・・ここって・・」

「あぁ・・遊郭だ」

これまた厄介な場所に・・

「お店の女性、ということですかね?」

「あぁ、客として近づくのが一番いいだろう。」

「ですよねぇ〜・・」

今回は少々面倒かもしれないなぁ〜・・準備が

「少しばかり準備をします。
 明日の夜でも構いませんか?」

「あぁ、頼むぞ」

「はっ」


部屋を出る長烈を見送り、人相書きに目を落とす

「・・・君は何で、殺されちゃうんだろうね〜」

今まで気になど止めていなかったが、何故だろうか

同性だからだろうか・・・少しばかり、気になってしまった。

「・・・・ま、詮索せぬのが私のやり方だ」

この方針を変えるつもりもない。

一時の感情で踏み込むと痛い目を見る。

知らぬが仏、ってか?

「さて、明日は準備で忙しくなりそうだ・・・」


今日は早くねよ〜っと!


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