落第忍者乱太郎/忍たま

□第七ノ巻
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「・・・消えてる」

朝・・といってもお昼過ぎだけど、

目覚めたころには昨日つけられた首の痣は

目立たないほどに薄れていた。

雑渡さんも本気で絞めていたわけではないらしい

「・・・」

なんか、物足りないな・・・

昨日の熱ごと無くなってしまったようで

なんだか寂しくも感じる

「・・・まぁこれがあるからいいか・・。」

雑渡さんから貰った首紐をそっと撫でる

ずっとつけているからなのか、首の違和感は全くない。

馴れって恐ろしいものだなぁ〜

「・・・ご飯でも食べるか・・」

昨日の夜、少しつまんだだけであまり食べていなかった。

お腹と背中がくっつきそうだ

布団をたたみ、着替えを済ませて食堂へと向かう

「今日の当番はだれだったかな・・」

まだ寝ぼける頭を動かしながら食堂の暖簾をくぐれば

いい匂いが鼻をくすぐる

「は〜、いい匂い」

「あ、昨日はお疲れさまでしたアリカさん。」

「あぁ、今日の担当は壮太さんでしたか。」

厨房の中で割烹着姿の反屋壮太さんが

笑顔で出迎えてくれた

あぁ、癒しだぁ〜

「もう少しゆっくりなさればよかったのに」

「あまり寝ていても、ねぇ;;」

それを言うなら壮太さんだって、

昨日は私の任務の後処理があったから、

休んだのは遅かったはずなのに、

こうしてきっちり当番をこなしている。

いやぁ〜さすがだわ

「はい、今日は親子丼です!」

「うわぁ〜おいしそう〜!
 壮太さんはいいお嫁さんになるよ〜」

「よっ、嫁って;;」

そんな冗談をかましながらランチを受け取り

席へ行きお昼を頂く

「・・うま」

ここの人たち、基本的に家事スキルぱないな・・

奉公人はちらほらいるようだが、

料理に関しては忍軍達で賄っているようだ。

まぁ何か仕込まれることは避けれるから、かもしれない

「ごちそうさまでした。」

ぱぱっと昼食を済ませ、自室へ向かう

今日はまだ任務が入っていない。

だからといってお休みと云う訳でもないので

自室待機だ。

鍛錬に訓練場に行ってもいいのだけれど

女一人は目立って仕方がない。

今までそれなりに任務遂行してきたのだ

今更、という思いもある。

「まぁ、めんどくさいってのが一番の理由だけど」

面倒ごとは嫌いだ。
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