落第忍者乱太郎/忍たま

□第十二ノ巻
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湯あみを終えた伏木蔵を連れて、

また雑渡さんのお部屋と戻ってきた

「こなもんさ〜ん!
 お久しぶりです〜!」

「伏木蔵、久しぶりだね」

安定の雑渡さんのお膝の上で挨拶を交わす

あぁもうそれだけで癒し・・!!

「今日は僕が会いに来ちゃいましたね!」

「これからはいつでも遊びに来ると良い。」

「本当ですか〜!
 うれしいです〜!」

可愛い〜!!!っと、デレデレしている場合ではなかった!

「伏木蔵、ちょっと話があるんだけど
 聞いてもらえるかな?」

「なんですか〜?」

雑渡さんの膝の上に座っている

伏木蔵の前に座り込み姿勢を正す

「えっとね・・・
 やっぱり雑渡さんが言ってください!!」

「言い出しっぺは君でしょ?
 ちゃんと自分の口で言いなよ」

「うぅ・・
 あのね・・・、伏木蔵・・」

「はい、なんでしょう?」

「・・私たちの、養子にこない・・?」

言った・・・私は言ったぞ・・!!

「・・・・養子・・・?
 アリカさんと・・こなもんさんの??」

「嫌かい?伏木蔵、」

少しぼーっとした面持ちで、上を見上げる伏木蔵

伏木蔵を見下ろす雑渡さんと視線がぶつかった

「いっ・・・いいんですか・・?
 僕・・・お二人の、子供になっても・・っ」

少し声が震えている。

「雑渡さんとね、話して決めたの。
 私たちの息子になってくれない?」

両手で伏木蔵の右手を握りしめる

雑渡さんは左の手をとる

「伏木蔵・・・嫌かい?」

雑渡さんが同じ質問を繰り返す

その声音はとても優しい物に聞こえた

「・・・僕・・うれしい、ですっ・・!!
 お二人の子供になれるなんて・・!!」

目にいっぱい溜まっていた涙が、ついにはあふれ出した

「私もよ伏木蔵・・ッ
 私たちの所に来てくれて、出会ってくれてありがとう・・」

雑渡さんと一緒に伏木蔵を抱きしめる

「私達三人ともが全てにおいて素人なんだ。
 三人で一緒に家族になっていこう・・。」

「「はいっ」」

今日、私たちは

家族になりました。


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