落第忍者乱太郎/忍たま

□第十三ノ巻
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「まずい・・・」

城内の自室に戻り、

忍服から小袖に着替える時発見してしまった

「利吉さんめ・・・」

首の後ろに小さなキスマーク

あの時は気づかなかったけど、鏡で見ると良くわかる

「・・・絶対怒られる・・」

ただでさえ嫉妬深いあの人の事だ

こんなことバレたらどうなるか・・・!!

「すんごいスリルとサスペンス〜!!」

いや、サスペンスなんておこったらシャレにならん!!

「うん・・・正直に話して土下座しよう・・!!」

隠せば隠すだけ、後々面倒になるのは経験上分かっていた

決意を胸に、駆け足で雑渡さんの部屋へ向かった。

報告書を片手に

「失礼します。
 朽木、任務より帰還しました」

「ご苦労様。
 入っていいよ」

「失礼します。」

いつもの様に振る舞ってはいるが、内心ドキドキである

「・・アリカちゃん」

「へ・・?」

入るや否や、雑渡さんに組み敷かれてしまった

「ちょっ、えっ!?どうしたんですか!?!?」

「・・・嫌な臭い、付けて来たね・・」

「匂い・・?」

私なんか匂うの!?自分じゃ分からないよ〜!!

「・・・山田利吉に会ったね?」

「ぅ・・!!」

すんごい嗅覚ですね!!?

「どういう事だい?」

「ぃ・・ッ」

押さえつけられた手首に力が入り、地味に痛い

「ざっ、雑渡さん・・!!
 そのことも踏まえて色々と報告がありますので、
 書面にて提出します・・!!」

手首だけ動かして、手に持っていた紙をアピールする

「・・・ちゃんと事細かく書いたんだろうね?」

「もちろんです!」

渋々私の上から降りて、報告書を受け取ってくれた

その報告書を読む目から段々光を失っていくのは

目に見えて分かってしまった・・。

もう帰りたいです!!

「・・・アリカちゃん」

「はいぃぃ!!!」

地を這うような声とはこの事か・・!?

デスボイス!!

「いつになったら、警戒心を身に着けてくれるのかな?」

「はい!すみません!!」

もう背筋か伸びに伸びるっ

敬礼したいくらいだ!!

「・・・・本当に口吸い以外はなにもされていないね?」

「はっ、はい・・多分・・。」

途中で気を失ってしまったから、確証を持てないのだ

何もされていないと思いたいけど・・・

はっきり断言できないのはもどかしい

「・・・はぁ〜
 嫁がモテすぎるのも、困りものだねぇ〜」

「はっはぁ〜;;」

なんか怒る気力も失ってしまったようだ・・・

本当に面目次第もない!!

「いいかい?
 男はみんな獣だと思わないといけないよ?
 良い人だからとか、忍たまだからとか、
 君は直ぐ気を緩めるからね・・
 もっと自分の魅力に自覚をもちな?」

「ん〜魅力ですかぁ〜」

私別に平凡な女なんだけどなぁ〜

「アリカちゃん?」

「はい!自覚持ちます!!」

怖いよぉぉ!!

「ざっ、雑渡さんも、カッコいいんですから!
 自覚持ってくださいね!!」

「私・・・?
 私は大丈夫だよ、君にしか興味ないし」

「え、あ、いや、えへへへ//」

なんか、うまく丸め込まれたような・・?

「しっかりしてくれないと困るんだが・・
 今日はこの辺で許してあげるけど・・
 次は、どうなるかわかってるね?」

「はっ!肝に銘じておきます!!」

雑渡さんを怒らせてはいけない・・!!

絶対に!!


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