落第忍者乱太郎/忍たま
□第十八ノ巻
1ページ/5ページ
伊作君の実習も終えて、彼はさっそうと帰っていった。
卒業後が楽しみだと言い残し。
「嵐のような子だったな〜」
彼はその優しさから他者を傷付けまいと抑制するあまり
不運という形で、自分の力を抑え込んでいたのだろう。
その気持ちが今、変わりつつあるように思えた。
何かに執着し優先することによって、その優しさは消え
それと同時にそれを阻む不運も、無くなっていっている気がする
「いいのか、悪いのか・・・」
忍者になると決めたのなら、それはいい傾向なのかもしれないが
彼のやさしさは彼のアイデンティティだったように思ったけれど
それさえも凌駕する執着が彼にはあるようだ。
「・・・さてと。」
今日もたっぷり任務が入っている。
お仕事をしなくては!
いつものように街に行き
いつものようにターゲットを仕留める。
これが日常だなんて、なんとも味気ないな・・。
「よし。」
森深くで男を始末し、後処理を済ませていると
少し離れたところから、男の鈍い悲鳴と
風に乗って血の匂いが漂ってきた
「・・同業かな?」
少しの興味と好奇心で、声のした方に近づく
近づくにつれて男の声が聞こえてきた
「どうする?」
「ここに転がしておくのもまずいし、困ったなぁ〜」
「もう少し考えて殺してくれないと〜」
「ごめん、ごめん;;」
なんとも呑気な会話だったが、
その会話する二人を見て驚愕した
「うそ」
「「誰だ・・!!」」
思わず声を出してしまい、ばれた瞬間にクナイが飛んできた
「うわっ・・!」
素早くよけるも、クナイを投げた二人の前に
出てくる羽目になってしまった。
「あー・・と、・・・どうも?」
「「アリカさん!?」」
「久しぶりだね。
尾浜勘右衛門くん。鉢屋三郎くん。」
私の目の前には学級委員長委員会の二人がいたのだった。