落第忍者乱太郎/忍たま

□第十八ノ巻
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伊作君の実習も終えて、彼はさっそうと帰っていった。

卒業後が楽しみだと言い残し。

「嵐のような子だったな〜」

彼はその優しさから他者を傷付けまいと抑制するあまり

不運という形で、自分の力を抑え込んでいたのだろう。

その気持ちが今、変わりつつあるように思えた。

何かに執着し優先することによって、その優しさは消え

それと同時にそれを阻む不運も、無くなっていっている気がする

「いいのか、悪いのか・・・」

忍者になると決めたのなら、それはいい傾向なのかもしれないが

彼のやさしさは彼のアイデンティティだったように思ったけれど

それさえも凌駕する執着が彼にはあるようだ。

「・・・さてと。」

今日もたっぷり任務が入っている。

お仕事をしなくては!

いつものように街に行き

いつものようにターゲットを仕留める。

これが日常だなんて、なんとも味気ないな・・。

「よし。」

森深くで男を始末し、後処理を済ませていると

少し離れたところから、男の鈍い悲鳴と

風に乗って血の匂いが漂ってきた

「・・同業かな?」

少しの興味と好奇心で、声のした方に近づく

近づくにつれて男の声が聞こえてきた

「どうする?」

「ここに転がしておくのもまずいし、困ったなぁ〜」

「もう少し考えて殺してくれないと〜」

「ごめん、ごめん;;」

なんとも呑気な会話だったが、

その会話する二人を見て驚愕した

「うそ」

「「誰だ・・!!」」

思わず声を出してしまい、ばれた瞬間にクナイが飛んできた

「うわっ・・!」

素早くよけるも、クナイを投げた二人の前に

出てくる羽目になってしまった。

「あー・・と、・・・どうも?」

「「アリカさん!?」」

「久しぶりだね。
 尾浜勘右衛門くん。鉢屋三郎くん。」

私の目の前には学級委員長委員会の二人がいたのだった。
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