落第忍者乱太郎/忍たま

□第六ノ巻
4ページ/9ページ



「・・・」

部屋へ通され、彼女が来るまで手酌酒でお酒をたしなむ

「・・・きっつ」

お酒はそこそこ飲める方だけど、

こちらに来てから全然飲んでいなかったから、

弱くなってしまったようだ・・。

あちらの世界でも日本酒はあまり得意ではなかったし

余計に酔っぱらいそうだ

「・・・早く始末して帰ろう・・・」

「失礼いたしますぅ」

きたか・・・

スーっと襖が空き、着飾った遊女が現れる

「ひなつると申します、
 どうぞよろしゅうおたの申しますぅ」

「あぁ、早速お酌をしておくれ。」

「へぇ。」

とてもきれいな子だ。

この子は何があって、この仕事をしているのだろうか。

この時代、身売りにあるなんてざらだ。

彼女もまた・・・

考えるのはよそう。

知ったって碌なことないって、分かってるだろ

「ホンマ、お侍さんええ男ですなぁ〜」

「ははは、褒めても何も出やしないよ」

「ご謙遜を〜」

酌をしろと言ってみたけど、

これ以上私も飲むとヤバそうだ

「君も飲むかい?」

「へぇ、いただきますぅ」

彼女のお猪口にはあらかじめ睡眠薬を塗ってある

お酒を注げば、お酒に溶け合い体内に入るだろう

「さぁ、ぐっといってくれ。」

「おおきにぃ」

さぁ、飲み干すといい。

最後の盃だ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ