落第忍者乱太郎/忍たま
□第七ノ巻
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「いろいろな模擬店があるなぁ〜」
・・・にしても、何人かが私を付けてるなぁ〜
まぁタソガレドキとして入ってきたから当然か
「気にせず文化祭を楽しむか!」
私が何もしなければ、あちらも何もしてこないだろう
「おぉぉ〜!!」
こっこれは・・・!
「いらっしゃいませ〜!
出来立ての田楽豆腐は如何ですか?」
くっ、久々知君お手製の田楽豆腐!!
ということは、ここは火薬委員会の
田楽豆腐&甘酒のお店!!
「甘酒もありますよぉ〜」
「・・・天使が二人・・」
「「はい?」」
久々知君とタカ丸くんが、私をお出迎え・・!
天国への誘いか!?
「あぁ、これはこれはすみません。
あまりの二人の可愛さに固まっていました」
「「はっ、はぁ〜;;」」
変な人だと思われてる・・けど、
敵視されてないだけマシ!
「注文、いいですか?」
気を取り直して、注文を再開する
近くの椅子に腰を下ろして、田楽豆腐と甘酒を注文
すぐに久々知君が出来立ての田楽豆腐を持ってきてくれた
「どうぞ!この豆腐、僕が作ったんですよ!」
「へぇ〜、とってもおいしそうですねぇ〜」
自信満々なその笑み、もう天使!!
「いただきます。」
一口、ぱくっと頬張る
「・・おいひぃ〜」
なにこれ、表情筋緩むくらいうまいぞ〜
「美味しすぎる〜」
パクパク行けちゃう!!
「よっ、よかったぁ!」
そんな嬉しそうな顔しちゃって・・!!
君の方がおいしそう・・ゲフンゲフン
「いやぁ〜、こんなにも美味しい田楽豆腐は初めてです。
こんなにも美味しいお豆腐を作れる君の名前、
教えてもらっても?」
久々知君の名前を堂々と呼べるようになりたい!!
「あ、私は久々知兵助と言います!
こっちは斉藤タカ丸さんです!」
「どうも〜」
「兵助くんに、タカ丸くんだね!
私は朽木アリカって言います、
多分ちょくちょくここには遊びに来ると思うから
その時はまたお話しようね。」
「え、アリカさんって忍者、なんですか?」
いやん、兵助くんいきなり名前呼び!好き!←
「ん〜、まぁ似たようなものかな。」
なんだかこの純粋な忍たま達には、
私の仕事内容は知られたくなかった。
ただのエゴにすぎないけれど、
彼らに私の汚い部分は見せたくなかった。
「へ〜、アリカさんってくノ一なんですねぇ〜
あ、髪結いしてもいいですか?」
いや、タカ丸くん唐突だな!!
「はは;;髪結いはまた今度お願いするね。」
今とんでもない髪にされても困るし
「それじゃぁ、まだまだ見回りたいからこの辺で。
田楽豆腐に甘酒、とってもおいしかったよ」
代金とお礼を言って席を立つ
「アリカさん!あの、お気をつけて・・」
「ありがとう、兵助くん。」
多分、私を付けている気配を感じ取ったのだろう。
知り合ったばかりの私を心配してくれるあたり
本当にいい子だ。
けどこの気配に殺気は感じられないから
敵と云う訳ではなさそうだ・・。
気にしないことが一番だ。