落第忍者乱太郎/忍たま

□第九ノ巻
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あれから数週間・・・

腕の傷はしっかりと治って

包帯も綺麗さっぱり取り除かれた。

けれど、結構深い傷だったため、

刀傷がくっきりと残っている

「お嫁に行けない…」

などと、ほざいてみる←

まぁ別に困りはしないけど、こうも腕にざっくりと傷跡が残れば

あの時のことを思い出してしまう。

この傷を見るたびに、庄左ヱ門のあの震えが蘇るようだ。

もう、あんなことはごめんだ。

自分だけなら構わないが、あの子達だけは

巻き込んでは行けない。

この忍たまの世界に、血なまぐさい話は似合わない。

「さてと…」

確か今日は西の森で演習をしてるらしいし、

茶化しに行くか!

…というのは冗談で。

もうそろそろお昼時、差し入れにでもいってやろう。

握り飯の入ったお重を抱えて、演習を行っている場所へと向かう。

木々をかき分け、森深くへわけ居る。

なんだかおどろおどろしい森だなぁ〜

「いた…」

大きめな木の枝に、雑渡さんが横座りで座っていた。

「組頭〜!
またそんな座り方してたら、小頭に言われますよ〜!」

「君か、」

しゅたっと、挨拶もそこそこに私の目の前に飛び降りる

「お疲れ様で〜す、
 はい、差し入れの雑炊!」

雑渡さんの差し入れはみんなと別で雑炊だ。

竹筒にストローをさして、渡す

「ありがと、」

「ここまでの道のりで適温になってると思うので
 安心してください!」

入れた時はアツアツだったけど、今は人肌程度だ

「ズゾゾゾゾ・・うん、おいしいよ」

「・・・へへ」

なんか、まともに褒められたの初めてで

照れるな←

「皆さんにも差し入れ持ってきたんですけど、
 どうしましょうか?」

「ん〜、そうだね。
 もうお昼時だし、休憩にしようか。」

雑渡さんのお声掛けで、一斉にお昼休憩が始まった

「アリカの握り飯はやはり固いな」

「お前、まだ飯炊き苦手なのか?」

「高坂さん、これがベストな炊け具合なんです!
 尊ちゃんは一回だまって。」

「なんで!?!?」

そうなのだ・・。ここに来てからだいぶ経つというのに

お米炊きだけは、固くなってしまうのだ。

私は固めが好きだから、これくらい平気だけど

皆にとっては固すぎるようだ

「花嫁修業がたりないんじゃないの〜?」

「・・・私の手料理が食えない奴はお呼びじゃないので
 大丈夫です。」

そうだ!!

私の事が好きならば食って見せろ!!

と、ジャイアン風を吹かせてみれど

ちょっと虚しい・・・。

「んじゃぁ〜私はちゃんと食べれるから、
 花婿候補、かな?」

「・・・そうですねぇ〜」

からかってるのが丸わかりだ。

それに、その原理で言ったら結構な人が候補じゃん

いやんっ、アリカちゃん、モッテモテ☆

・・・うん、余計虚しいは

「つまらないなぁ〜」

「組頭の冗談を一々真に受けていたら、
 私の体はもちません。」

「冗談じゃないって、いったら?」

「・・ん?」

なんだ、この怪しい雰囲気・・

他の皆も何かを感じ取ったのか

いそいそと演習へと戻っていく

え、まって!!一人にしないで!!

「聞いてるの?」

「えぇ・・まぁ・・」

左から右に、聞き流してますけどね。

「ちゃんと聞きなよ。」

「グエッ」

そっぽ向いていた顔をぐるっと雑渡さんの方へと

力任せに向けられて、変な声が出てしまった

「アリカちゃん、君は私のモノだといったし、
 私は君のモノだとも言った。
 あれは最高の契ではないのかい?」

「・・・そうとも、言えますね・・」

今考えてみれば、恥ずかしい事をしたと思う。

あんな噛み跡をお互いに残し合って、証明し合う

ぶっ飛んでる

「何か、不満なのかい?」

「ヒッ!?」

そんな三白眼でみんなよ!!こえぇよ!!圧が!!

「雑渡さんは、私にどうしろっていうんですか・・」

訳が分からん。

もういっそ、はっきりしたい。

この人との関係を・・。

「私に言わせるのかい?」

「えぇ。言わせます。」

私ばかりが悩んで、不公平だ。

この気持ちは・・この言葉は私からは絶対に言ってやらない!

「・・・私は」

「「うわぁああぁぁぁぁ!!!」」

ようやく聞ける・・・と思ったのに、

複数の大声に邪魔をされた。

まぁある意味、お約束というやつかもしれない

「・・・・見に行きませんか?」

「・・・しょうがないね。」

雑渡さんは話の腰を折られて渋々と言った感じではあるが

声の聞こえた方向へと足を向けた
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