落第忍者乱太郎/忍たま

□第九ノ巻
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「何事かと思えば、忍術学園のお子様忍者じゃないか」

「あっ、ミソタレカケ忍者の、
 ささっとできるもんさん!!」

「タソガレドキの雑渡混奈門だ。
 わざとやってるだろう。」

「えへへへ」

「あー!伏木蔵君だ!!」

出向いてみれば、一年ろ組の子たちが

高坂さんと山本さんに包囲されていた

あぁ、みんなでピクニックでもしてたのかなぁ〜

「アリカさん!!
 お久しぶりです〜!」

「きゃわわぁ〜!!」

駆け寄ってきた伏木蔵君を全力で抱きしめる

あぁ、いやし〜!!

「こんな山の中で、どうしたの?」

「今日は一年ろ組だけで、ピクニックをしてたんです〜」

「じゃぁ、その子たちはクラスメイト?」

「はい〜!」

伏木蔵がみんなを集めて

私の説明をしてくれた。

説明といっても、名前と、とにかく良い人という

大雑把な説明だった。

良い人、ねぇ〜;;

「はじめまして、初島孫次郎と言います〜」

「ぼっぼくは、下坂部・・平太・・です。」

「二ノ坪妖士丸です〜。よろしくお願いします〜。」

みんなくら〜い・・・けど

「はわぁぁぁ、かわいいよぉぉ〜!!」

「「うわぁあぁ」」

思わずみんなまとめて抱きしめてやった

ろ組可愛すぎる・・・!!

「アリカさん、僕も〜」

「ぅっ・・・伏木蔵・・どこでそんなテクを・・!!」

あぶれた伏木蔵が私の服の袖を引っ張り、

僕も。と懇願する姿は、破壊力抜群だぜ!!

「伏木蔵くんは、私の所へおいで〜」

「こなもんさ〜ん!」

雑渡さんの広げられた腕の中へ向かう姿はまさに親子!!

「うっ、羨ましくなんてないぞ・・!!」

あぁ〜最高に微笑まし・・

「あの、アリカさん・・くるしぃ!」

「うわっ、ごめんね孫次郎;;」

きつく締めすぎたようだ

「うぅ〜、ぼく、ちびっちゃった・・・」

「あははは;;ごめんごめん;;」

びくつく平太の頭をよしよししながら謝罪する

ほんと平太はすぐにちびるんだから〜

「みんなぁ、そろそろ戻らないと日が暮れちゃうよ」

妖士丸の号令で、ろ組は帰ることとなった

「伏木蔵、孫次郎、妖士丸、平太。
 帰り道、気を付けて帰るんだよ?」

名残惜しいが、仕方がない。

皆の頭をひと撫でしてお別れを告げる

「アリカさん、またいつでも保険室に
 遊びに来てくださいね!」

「ありがとう、伏木蔵。伊作君にもよろしくね?」

「はい!それでは!」

〜み〜んなでたのし〜ぃ♪

  〜コースをあ〜る〜き〜♪

なんて、すこし不気味な感じで歌いながら

ろ組は元来た道を戻っていった。

「・・・また、遊びに行こうかな。」

忍術学園に

「ダメ。」

「うわっ、雑渡さん、なんですか急に・・!」

しかもいきなり否定なんて・・。

まだどこに行くかも言ってないのに。

「君をあまり忍術学園に行かせるのは
 許可できないな〜」

「なんでですか〜!!」

あんな癒し空間に行けなくなるなんて、死活問題だよ!!

「君、またすぐトラブルおこすでしょ?」

「いや、ないですって!」

別にトラブルおこしてないじゃんかぁ!

「君、四年生の綾部喜八郎に喰われそうになったこと
 忘れたわけではないだろうね?」

「ぎくっ・・!」

雑渡さんが私の首筋に指を這わす

そこにもう跡は残っていないものの、

確かにそこは、彼・・綾部喜八郎に噛まれた部分だ。

噛まれたと言っても、雑渡さんみたいに荒々しい物ではなく

甘噛みだけど

「彼は好奇心旺盛な子だと伺っていましたから、
 ただの気まぐれですよ。
 私もヘマしませんよ。」

あれはたまたまだ!!

普段なら落とし穴に落ちたりなんかしないから、

次何かあってたまるか!

「それによく考えてください。
 相手は子供ですよ?
 私が手を出すことがあっても、
 相手からはそうそうないでしょ!」

「いや、君が手を出すのもまずいでしょ」

「・・・てへ☆」

雑渡さんナイスツッコミ!!

「ま、冗談はさておき。
 大丈夫ですよ、雑渡さん。
 何を心配しているかは知りませんけどね。」

「・・・はぁ〜、だから君を忍術学園に行かせたくないんだ。」

そんな、頭抱えなくても!

「まぁずっと城にこもっていても暇だろうから、
 たまに行く事くらい許してあげるけど
 あまり長居はしないこと。いいね?」

「は〜い!」

よぉし!

これで堂々と、忍術学園に遊びに行けるぜ!!

「上級生には気を付けるんだよ?」

「は〜い!」

浮かれすぎて話半分なのは許して?

「まったく・・困った子猫ちゃんだよ・・」
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