落第忍者乱太郎/忍たま

□第十ノ巻
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あのあと若干放心状態のまま、忍術学園を出た

小松田さんがおってこないということは、

ちゃんと出門表にサインはしたようだ。

「伊作くんってば・・なんで・・・」

私の物になってもいい、だなんて・・

彼は彼だ。誰の所有物でもないのに

私に何か求めるわけでもない

私に恋している訳でもない

けれどあの瞳は見覚えがある

何かに妄信している時の瞳。

私が雑渡さんに向ける瞳と一緒だ・・。

「・・・私はいつも、あんな目をしていたのかな・・」

鏡を見ていたような、不思議な感じだ・・

伊作君は、私の何を見てああ思ったのだろうか。

私に妄信する要素なんてないだろうに・・

「不思議な世の中だ・・・」

その一言で片づけていいのか?と思われるだろうが

いいのである!

だって、こんなシリアス耐えられない・・・!!

自己解決って、一番Happyな解決方法だと思う!

「あ・・そういえば・・」

首筋につけられたであろう伊作君の噛み跡

髪を結ったままだと見えてしまうから

応急処置として髪紐を解いた

「まぁこれで当分大丈夫だろう。」

男装の任務が入ったら面倒だが

それまでは髪を下ろして隠そう。

包帯を巻けば、絶対どうしたって言われるだろうし

応えるのもめんどくさいし、

こうなった経緯を話す方ももっとめんどくさいし

面倒なことになりそうだし

「沈黙は知恵なり・・・!」

勝手にオリジナル格言を作って自己暗示する

大丈夫、大丈夫!

人生何とかなるよ!
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