落第忍者乱太郎/忍たま

□第十二ノ巻
2ページ/14ページ




「組頭、準備整いました。」

「うん。
 じゃぁこれね。」

「はっ」

いつものように渡された紙には、

人相書きとターゲットの現在地が記入されていた

「・・・待ってください。
 どういうことですか?」

紙を持つ手が震える

この顔には見覚えがある・・

否、見覚えがありすぎる・・・

「・・・忍術学園教師、土井半助・・。
 雑渡さん、いったいどういうおつもりですか?」

忍術学園には手を出さなかったのではないのか?

彼にいったい何があったの・・?

「・・・彼の事、そんなに心配なの・・?」

「彼には一度助けられていますし・・恩があります。」

それでなくても、彼を殺すなんて・・

私にはできない。

「・・妬けちゃうねぇ〜」

「・・・楽しんでますね?」

「ちょっとは」

このっ・・!

「それで、どういうつもりなんですか!」

「ターゲットは土井半助で間違いないよ。
 けど今回は暗殺じゃない。」

「・・暗殺じゃない・・?」

なら、私に何をしろというんだろうか?

「暗殺の予行練習・・かな?
 最近、尊奈門が彼に負けてばかりだからね。
 お手本見せてあげてよ」

「予行練習って;;」

つまりは、尊奈門にはっぱをかけてやれ、ってこと?

まぁ気合はあるけど、どこか抜けてるからなぁ〜

「わかりました。
 土井先生は中々の強者ですから、
 成功するか分かりませんよ?」

「いいよ。
 尊奈門にお手本見せるだけだし
 いろんな角度から学ぶのに丁度いい」

「は〜い」

でも、よかった。

もし本当に暗殺の任務だったら

・・・私はいったいどうしていただろうか。

まぁそもそも、私はまだ彼には敵わないだろうな。

「それじゃぁ行っておいで。
 日が暮れる前には帰ってくるんだよ?」

「雑渡さん・・私もう子供じゃないんですから;;」

お母さんか!

「君はあそこに行くと厄介ごとにすぐ巻き込まれるからね
 これでも心配してるんだよ?」

そっと手をすくい取られる

全科がある分、申し訳なさがでるな・・

「大丈夫ですよ。
 今日は尊奈門さんと一緒に行きますし、
 ちゃんとあなたの元へと帰ります」

近づきそっと目じりにキスを落とす

「・・・君は私を甘やかす天才だね」

「それはお互い様ですよ」

私だって、あなたの行動1つですべてが変わってしまうんだから

「それでは、行ってまいります!」

「頼んだよ。」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ