落第忍者乱太郎/忍たま

□第十三ノ巻
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「こなもんさん、母上!
 お待たせしました!」

しばらくたってから、伏木蔵が戻ってきて

学園長先生の庵へと案内されることとなった

しっかり入門表に名前を書いて庵へと向かった。

「こう堂々と学園を歩くのは久々だねぇ〜」

「いっつも忍び込んでますもんね雑渡さんは」

小松田さんに発見されずに、学園内を嗅ぎまわれるのは

ドクササコの凄腕忍者か雑渡さんくらいかもしれないな

「お二人とも、つきましたよ!」

庵の前まで来て急に緊張してきた・・!!

娘さんを僕にください!並みの緊張だ!!

「学園長先生!お二人を連れてきました!」

「入りなさい。」

襖をあけて入ると、学園長先生に加えて

伏木蔵のクラスである1年ろ組の

教科担当 斜堂影麿先生と
実技担当 日向墨男先生がおられた

「久しぶりじゃのぉアリカちゃん」

「はい。その節は大変お世話になりました」

挨拶もそこそこに

雑渡さん伏木蔵、私の順に学園長の前に座る

「さて、本日の要件については大まかにではあるが
 伏木蔵から聞いておる」

「そうでしたか・・」

だから少し時間がかかっていたのね

「これから関わる機会も増えるであろうし
 紹介しておこうかの。
 こちらが、伏木蔵のクラスを担当されておられる先生方じゃ」

「教科担当の斜堂影麿です・・。」

「実技担当の日向墨男と申します!!」

静と動の様だ・・いや、陰と陽だな

「大川平次渦正・・。
 今回の件、承諾してくれるのかい?」

今まで黙っていた雑渡さんが口を開く

そうか、さっきの学園長先生の言葉・・

"これから関わる機会も増えるであろうし"

というのは、すべてを肯定してくれたということではないのか?

「ゆるして、くれるのですか・・?」

「なにをいっておる!
 こんなにめでたいことはない!
 よかったのぉ〜伏木蔵。」

「はい!学園長先生!!」

よしよしと伏木蔵の頭を撫でる学園長先生の表情は

本当に嬉しそうに、

私たちのことを祝福してくれているようだった

「さすが忍術学園の学園長だ、
 肝が据わっていると言うか、なんというか・・」

「そうですね・・
 けど、これでもう何も心配いりませんね・・」

全て丸く収まったというか、

家族として、ようやくスタートがきれる

「伏木蔵、しばらく会えなくなるけど
 いっぱい学んで、いっぱい遊んで、大きくなるんだよ?」

「はい、母上!」

「出城までは直ぐだ、
 いつでも帰ってきておいで」

「はい、こなもんさん!」

学園での共同生活がある以上、毎日会う事は叶わないけれど

たまには私もここに遊びに来よう!

長期休暇になれば、いっぱい遊んで、いっぱい勉強をしよう

今生の別れではないけれど、

寂しさを紛らわす様に、

ギュッと伏木蔵の小さな体を抱きしめる

「伏木蔵、またね?」

「はい・・母上・・
 こなもんさん、あんまり母上を虐めないでくださいね!」

「ん〜まぁ、ほどほどにするよ」

「ちょっと・・!」

そこは、はいっていいなさいよ・・!!

「ほっほっほ!仲の良い家族じゃ!」

「そうですなぁ〜!!」

「伏木蔵〜、よかったですねぇ〜・・」

「はい!」
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