落第忍者乱太郎/忍たま

□第十三ノ巻
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「とっ取り乱しました・・」

「落ち着いた?」

「あっあぁ・・」

未だに頭をフル回転させて状況を整理している様だ

「あの・・・お二方は・・その・・・」

きょどりすぎなんだよなぁ〜

尊ちゃんは多分きっちり忍びの三禁を守ってるんだろうなw

ちなみに、忍びの三禁とは

酒・女・欲 である!

「近々報告するつもりたんだけどね、
 ちょうどいいや、尊奈門。
 お前から皆に話してやって」

「えぇ!?
 私がですか!?」

「のぞき見した罰ね」

「のぞっ・・!?!?」

いいようにからかわれちゃって〜

雑渡さんめ、自分で言うのめんどくさいから丸投げしたよ

「私とアリカちゃん夫婦になったから
 ちなみに子供もいるよ、伏木蔵ね」

「は、え?あ?お???」

いや、てんぱりすぎでしょ?

雑渡さんも情報量が多すぎ!

「雑渡さん、あまりにも適当過ぎますよ;;
 ちゃんと一から説明してあげないと
 さすがの尊ちゃんも困りますよ?」

まぁ要点をかいつまんでの説明ならアレで正解だけど

「アリカ・・・頼む、説明してくれ・・・」

もはや抜け殻状態ではあるが、

理解しようと努力してくれている様だ

「それじゃぁ一から説明するね?」

此処で役立つあの魔法の言葉・・!!

「かくかくしかじかなんだよ!」

「・・・なる・・・ほどぉ〜・・・」

伝わったのか・・伝わってないのか??

「わかった??」

「経緯は分かったが、驚いているんだ・・
 まさか、組頭とお前が・・
 それに養子まで・・!!」

「ま、そういうことだから、
 伏木蔵が顔見せたらおもてなししてあげてよね」

「そっそれはもちろんです!!
 おっ俺、小頭達にも報告してきます・・・!!」

脱兎のごとく、といえばいいのだろうか。

すさまじい勢いで、部屋から出て行った

「・・・ねぇ雑渡さん。
 尊ちゃん、何か連絡があって
 ここに来たんじゃないのかなぁ〜?」

「まったく、あいつもまだまだだねぇ〜」

まぁ部屋に入ってから衝撃の連続だったから

内容が吹っ飛んでもおかしくはないか

「私、聞いてきましょうか?」

「また思い出せば来るでしょ」

「緊急連絡じゃないといいですけどね〜」

もし大事な内容であれば、大変だけど

雑渡さんはどこ吹く風て感じだから

あんまり重要なことではないのかもしれないな

最近は表立った戦もしないし、する予定もないみたいだし

平和な日々が続いている。

「あぁそうそう。
 明日任務があるから、準備しておいてね」

「平和だなぁ〜とか思ってたのに
 私だけ平和じゃなかった・・」

表立った戦がない代わりなのだろうか

裏でこっそりパターンは横行中かもしれない

「平和過ぎるのも、腕がなまってしまうだろ?」

「まぁそれもそうですけど・・」

そういえば、最近武器を新調したんだった

久々知君愛用の寸鉄。

あれはなかなか使い勝手がいいし

棒手裏剣より強度もある

これからはこちらを重宝するかもしれないなぁ〜

「なんだか楽しそうな顔をしてるね」

「え?
 あぁいや、新しい武器を新調したので
 明日使うの楽しみだなぁ〜ってw」

「ふふっ・・そうかい・・。
 あの頃の子猫ちゃんはまだまだ健在だね」

「久々に雑渡さんの口から子猫ちゃんなんて聞きましたよ」

昔はよくそう呼ばれてたなぁ〜

「今でも私の子猫ちゃんなのは間違いではないけどね?」

「ちょっ、くすぐったいです//」

猫の様に喉を撫でられても、くすぐったいだけだ

「初々しい君も好きだけど、
 狂気じみた目をしてみせるあの時の君も
 なかなかにそそられたよ・・。」

「どっどんな目ですか;;」

私、そんな目なんてしていただろうか??

自分の事って、自分が一番分からないものだ

「血に飢えた獣の様な瞳・・かな?」

「それは雑渡さんの事じゃないんですか?」

獲物を捕食する瞳。

いつもギラギラして、捕食者の目だね、あれは

「私は君に対してしかしてないよ」

「あ、自覚はあるんですね」

私の推測もあながち間違いでは無い様だ

「けれど君は任務中、
 とても楽しそうな顔をしている時があるからね
 その時の君の目はひどく歪んで見えるよ・・」

「・・・・そうですか?」

頬を持ち上げられ雑渡さんと視線が交わる

「君は根っからの暗殺者かもしれないねぇ〜」

「・・・なんだっていいですよ。
 私は雑渡さんのためだったら何でもできますから。
 彼方の命だから、
 ついつい楽しんでしまうのかもしれないですね」

雑渡さんに必要とされている。

そう思う事によって、つい任務中も

はしゃいでしまうのかもしれない

「そうかい・・・。
 私も罪な男だねぇ〜」

「自分で言いますか、それ?」

まぁ、間違っちゃいないけど

「君も罪な女だよ・・。
 私をこうも変えてしまったのだからね・・・」

「雑渡さんは、今も昔も変わっていないと思いますけどね・・」

まだ出会って半年・・。

彼の本質は何一つ変わっていない様に思える

「変わったさ・・。
 君と出会ってから、私は満たされている・・」

「・・・それを言うなら私だってそうですよ。
 雑渡さんが居るから、毎日満たされています・・。
 なんだか、お互いを補っているみたいですね」

「そうなんだろうね・・。
 アリカちゃんを補充しなきゃね」

「ぁ・・!ちょっと・・!?」

首筋に顔を埋め、甘噛みされる

「補充だよ」

「物理的に摂取ですか!?
 いだっ・・!!」

また、歯たてて・・!!

「君の白い肌にはよく映えるね・・・」

私からは見ることは出来ないが、

今私の肩にはくっきりと歯形が残されているのだろう

「あまり、噛まないで下さい・・」

これ以上噛まれまいと

肩をそっと抑えて距離をとる

「どうしてだい?」

「・・・よく・・なっちゃうから・・・」

「ん?」

そんなニンマリ顔で聞き返してくんな!!

絶対聞こえてただろうが!!

「よく聞こえなかったから、もう一度」

こんにゃろ・・・!!

「っ・・!!
 気持ちよくなっちゃうのでやめてください・・///!!」

羞恥心よ、さよならグッバイ!!

「もっとしてくださいって事だね。
 アリカちゃんはおねだり下手糞だねぇ〜」

「いや、おねだりじゃなくって・・ンッ//!!」

ガジガジと噛まれる感覚は痛いのに

何処か気持ちを高揚させる

この行為に、完全に毒されている

「ほら、いうことあるでしょ?」

「ぅ・・//」

優しく噛んだり、時には舐めなり

あぁもう、私は彼にはとことん弱いんだ・・

「アリカちゃん?」

「ッ・・もっ、もっと、噛んでください・・//」

「よくできました。」

「ぁっ・・//!!」

ピリッと肩に痛みが走る

着物も肩まで開けて首筋、鎖骨、肩

色んな所に噛みつかれる

その度に気分が高揚してくる

「アリカちゃん、とってもいい顔だよ・・」

「ぁ・・うぅ///」

恥ずかしすぎる・・!!

のに、やめてなんて、言えなくて・・

「もっと・・//」

なんて、言っちゃう始末だ

「いっぱい噛んであげる・・」

お互いに噛み跡を残す。

初めて噛み合ったあの時以来、

これはお互いの独占欲を具現化する行為として

定着してしまったように思える。

私の肩周りの噛み跡が綺麗に消えたためしはない

同様に雑渡さんの包帯の下にも、

私の噛み跡がずっと上書きされて残っている

「とんだ癖を覚えさせてしまったようだね・・」

「雑渡さんの、せい、ですからねっ・・ンッ//」

「責任はとるよ・・ガリッ」

私の首筋にまた、雑渡さんの歯が食い込む感触がした
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