落第忍者乱太郎/忍たま

□第十五ノ巻
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「あ・・」

自室へ帰ると机の上に一通の文が

裏には"鶴町伏木蔵"と記載されていた

「伏木蔵から・・!」

急いで文を開き、内容に目を通す

内容は簡単なもので

"明日から夏休みが始まるので
 
 そちらに帰りますね"


との事だった。

「もうそんな時期か・・・!」

蝉の声が響き渡る今日この頃

現代の夏とは違い、この時代の夏はカラっとした暑さだ

風も涼しく、夏でも過ごしやすい気候だ

そんな夏真っ盛りの今日この頃

忍術学園も夏休みを迎えるそうな

これは盛大にお出迎えせねば・・・!!

「雑渡さん大変ですよ〜!!!」

大急ぎで雑渡さんの部屋へ行きノックも無しに

襖を開ける。

マナー違反だけど、こっちは緊急事態だからオオメニミテネ??

「・・・・え?」

「あ」

こっちが大目には見てあげれない状況がそこには広がっていた

衣類の乱れた女中に、包帯を中途半端に巻いている雑渡さん

口布は外され、素顔があらわになっている

何にこれ??

ナニコレ珍〇景??()

混「せめて声くらいかけてから入ったら?」

「・・・あぁ、すみません。
 廊下で叫んでたんですけど、聞こえませんでした?
 あぁ聞こえませんでしたよね。
 色々お取込み中だったみたいですから?
 私の声なんて聞こえないくらい
 お取込み中だったみたいですから?
 お取込み中すみませんね、どうぞ続けてくださいな??」

混「・・・行って」

女「ッ・・はっ、はい・・っ」

雑渡さんが顎で指示をし、女中は早々に部屋を出て行った

「あら、良いんですよ別に、私の事は気にしなくても」

混「・・・随分、ご立腹のようだね」

「ご立腹・・?ご冗談を。」

弾「呼びましたか小頭?」

「呼んでない。帰って。」

弾「はいいぃ!!」

まったく、どっから湧いて出てきたんだ・・!

混「顔に怒ってるって書いてあるよ?」

「怒る?そんな甘いもんじゃないですよ?
 何やってるんですか雑渡さん??
 貴方に触っていいのは私だけでしょ?
 なんで他の女に素顔さらしてんですか?
 なんで彼女に触れようとしてたんですか?
 貴方に触れていいのは、私だけ・・
 貴方が触れていいのも私だけです・・」

雑渡さんに馬乗りになる形で、首に手をかける

混「おやおや・・随分と素直だねぇ」

「・・・・」

絞めているはずなのに、雑渡さんは余裕そうだ

混「包帯を変えている途中に急に入ってこられてね
  なんというか、言い寄られたっていうのかな。
  私にはこんなに可愛くておっかない妻がいるというのにね」

私の頬を撫でる手の熱に、すこに頭が冷やされていく

「だから言ってでしょ?
 雑渡さんだってモテるんだから気を付けてって」

首に回した手の力を弱めて、前のめりに倒れこむ

混「そうだったね。
  不安にさせたかい?」

「別に雑渡さんの事疑ったりはしないけど
 ムカつく・・」

混「素直だねぇ〜」

「ねぇ・・・あの女中殺していい?」

混「ん〜、その愛は嬉しいけど
  彼女には今後使い道があるから、まだダメかなぁ〜」

「・・・ダメじゃなくなったら、言って。
 私がやるから。」

混「良い子だね・・。
  その時は頼むことにするよ・・」

頭を優しく撫でられるリズムに段々と心が落ち着いてきた

「・・・ごめんね?」

首に少しできた鬱血の跡に舌を這わす

混「どうということは無いさ・・。
  いつもの君の噛み跡に比べればね」

「う・・・」

雑渡さんの首筋には無数の小さな噛み跡が

まだうっすらと残っていた

「・・謝るけど、悪いと思ってないよ?」

混「清々しいね君・・
  ま、君の一種の愛情表現だからね・・。
  ありがたく受け止めるよ」

まぁそういう雑渡さんも噛み癖治ってないから

お互い様である

混「そんなことより、
  慌てて入ってきてどうかしたのかい?」

「そうだった・・!!手紙!!」

バッと持ってきた手紙を雑渡さんに見せびらかす

混「あぁ、伏木蔵からの手紙かい?
  それなら私にも来ていたよ。
  明日から夏休みだから、帰ったら稽古をつけてくれとね」

「・・・な〜んだ。」

伏木蔵ってば、雑渡さんにも手紙書いてたのか

まぁ、当たり前ちゃぁ当たり前だけど!

混「出城付近には見張りや罠なんかもいっぱいあるからねぇ
  谷の入り口付近まで迎えに行った方がいいかも知れないね」

「あ〜それもそうですね。」

一回来たことがあると言っても、私と一緒だから

罠とかの説明してなかったんだよなぁ〜

落とし穴とかに落ちたら一大事だし

明日は二人で迎えに行くとしよう!

混「明日から伏木蔵につきっきりになるんだ
  今日中に任務をある程度終わらせてしまおうか」

「はい!」

雑渡さんは忙しい身、

明日から毎日一緒に居ることは難しいが

なるべく一緒に過ごせるよう努力してくれるみたいで

その気持ちだけで胸いっぱいだ!

混「それじゃぁアリカちゃんはこれね」

「・・・うげぇ〜」

人相書きが三枚も・・・

ターゲット同士の距離は近いものの

連続三人殺って来いと??

だいぶハードな一日になりそうだ・・・

混「いってらっしゃい」

「・・・行ってまいります・・。」

こうなりゃやけだ!!
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