落第忍者乱太郎/忍たま

□第十五ノ巻
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「とりあえずトリカブトベース・・いや、
 これじゃ今までと一緒だしなぁ〜」

部屋の隅で毒草を並べて思案する

現在は王道なトリカブトをベースに毒を作っているが

なんせ入手しづらくて個数も取れないのが難点だ

コストもかからなくてしっかりと効き目があるもの

「鈴蘭や彼岸花なんかでもいいけど
 決定打にかけるんだよな〜」

毒性が弱いと、目眩、吐き気程度で済んでしまう場合もあるから

なにかあとひと工夫ほしいところ・・・

伏「母上、どうかしたんですか〜?」

さっきまで雑渡さんのお膝の上でいい子していたのに

この毒草たちが気になったのか、伏木蔵がやってきた

「ん〜?ちょっと毒薬の研究をね・・・」

伏木蔵は保険委員だから、

こういった薬草関係は気になるんだろう。

けど、今やっているこれは人を助けるものではなくて

その逆の命を奪う薬の研究だ

伏木蔵はあまり興味ないだろう・・・なんて

勝手に思っていたが、その逆で興味津々で聞いてきた

伏「さすがタソガレドキです〜!
  珍しい毒草ばっかり・・!」

「学校の薬草はあまり種類がないの?」

伏「裏山とかに自生している薬草を積んだりしますけど
  南蛮渡来の薬草は中々手に入らないです〜!」

「なるほどねぇ〜」

まぁうちの城お金持ちだから、こういうのすぐ調達してくれるもんなぁ〜

これってそんなに高価なものだったのか・・!

知らないって幸せなことだな!!(遠目)

伏「母上は何をそんなに悩んでいたのですか?」

「ん〜・・・
 ちょっと毒性が強くなる方法がないものかと・・」

って、伏木蔵になんて相談してるんだろうな;;

混「最近ギリギリの仕事してるのって
  毒薬が効きにくくなってたからなんだね」

「そうなんですよ〜
 手練になればなるほど、効きにくさも上がりますしね」

それこそ忍者なんて生き物は

ある程度の毒の耐性は訓練で持っている

生半可な毒では抗体が体の中で出来上がっているため

ほとんど無害だ

それらを凌駕する毒を開発しなければ!

伏「母上、毒草だけじゃなくて毒茸も混ぜてみてはどうですか?」

「どくきのこ・・・」

その手があったか・・!!

「伏木蔵ってば天才!!」

混「いいところに目をつけたね」

うちの子天才!!←

伏「もっとも毒性が高いのがドクツルタケっていう
  白い茸なんですけど・・」

「ドクツルタケね、
 たしか少量で成人男性一人を死に至らしめるとか‥
 よく知ってたねぇ〜!」

偉いぞ〜っと伏木蔵の頭を撫で回す

伏「この前、伊作先輩と毒キノコについて勉強してたんですよ〜!
 お役に立ててよかったです〜!」

なるほどね〜!

食用と毒キノコと見分けがつかないと、危険だもんね!

「伊作くんは、元気にしてる?」

伏「はい!
  しょっちゅう落とし穴に落ちてますけど、
  それ以外は元気です!」

「そっ、そう・・」

それは元気と言っていいのだろうか・・?

混「さて、毒薬の件は解決したみたいだし
  次は伏木蔵の宿題を解決しようか」

伏「はい!」

巻物を見ながら、あーだ、こーだと議論し合う二人は

本当に親子のようであり、組頭と部下の用にも見えた

「未来の構図、できあがってんなぁ〜」

尊ちゃんに次ぐ、雑渡さんの右腕候補かもしれないな
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