落第忍者乱太郎/忍たま

□第十五ノ巻
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日もどっぷりくれた頃、私と伏木蔵はお風呂につかっていた

「肩まで浸かって、あったまろうねぇ〜」

伏「はぃ〜」

なんとも気持ち良さそうだ

「伏木蔵、今日一日部屋にこもって宿題やってたけど
 どうだった?」

伏「楽しかったです〜!
  こなもんさんも優しく教えてくれるし、
  戦術や戦略、プロの意見ってとっても参考になりました〜!」

まぁ、組頭直々になんてめったにないから

同じ忍者を目指すものとして、いい経験になったんだろうな

「ねぇ伏木蔵・・・。
 伏木蔵は忍術学園を卒業したらどうするの?」

まだ一年生だ、将来のことなんてまだ考えていないかもしれないけど、

今何を思っているかだけは知っておきたかった

伏「もちろん、忍者になりたいです!
  こなもんんさんや母上みたいな立派な忍者になって
  一緒に任務なんかこなせたりしたら、
  最高にエキサイティングですぅ〜!」

お目々をキラキラとさせて、夢うつつのように語る伏木蔵は

汚れを知らない無垢な赤子のように見えた

「そう・・。
 けどね、忍者って楽しいことばかりじゃないんだよ?」

城勤めになれば、上からの命令は絶対。

やりたくない仕事だってやらなくてはならない。

そんなの魂が引き裂かれそうになるほど辛いことだ

利吉さんみたいにフリーの忍者なら、ある程度融通は聞くが

それでも殺伐とした世界に身を投じているのは一緒

平和な塀の中で過ごしている伏木蔵に

この世界は耐えられるのだろうか・・

伏「母上の言いたいことはわかっています。
 母上が今まで経験したことを踏まえて
 言ってくれているということも・・。

 けど、僕は忍者になりたいです!
 辛いことも楽しいことも全部、母上と父上の側で
 感じていたいから・・・」

「伏木蔵・・」

なんか、心配しすぎるのもよくないなって思ったよ・・。

伏木蔵はもう立派に将来を見据えて進んでいる

私のほうが立ち止まっていたのかもしれない。

私も一緒に、歩みを進めなきゃね

伏「僕、立派な忍者になります!」

「うん‥応援してるよ‥」

伏木蔵は立派な忍者になるんだろね・・・

だって、あの雑渡さん直々に修行をつけるのだから
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