落第忍者乱太郎/忍たま

□第十六ノ巻
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「無事でよかった・・・」

寺の庭で、組頭発見の狼煙を上げる

これで暫くもすればみんなやってくるだろう

伊「勝手に連れてきちゃって、すみませんでした;;」

「伊作君は何も悪くないよ。
 むしろ感謝したいくらいだよ。ありがとうね」

彼が居なければ、出血多量でどうなっていたことか

考えるだけでゾッとする・・・

伊「そろそろお迎えが?」

「そうだねぇ。
 この狼煙でみんな気づいてくれたと思うから
 あと数刻もすれば集まるよ。」

今みんな猛ダッシュで向かってるんだろうな〜

伊「じゃぁ、皆さんが来られる前に・・
  アリカさんに話しておくことがあったんです。」

「ん?」

あらたまって、どうしたというのだろうか?

伊「僕はもう少ししたら、忍術学園を卒業します。」

「そうだねぇ〜、伊作君は六年生だもの。
 あ、もしかして
 タソガレドキに来るってやつ本当だったりする?」

確か以前、雑渡さんからそんな話をされたような・・

伊「混奈門さんに、聞かれたんですか?」

「詳しくは聞いてないけど、
 伊作君が卒業したらうちにくるとかなんとか?」

凄く曖昧で、はぐらかされたような気もしていたんだ

伊「えぇ。そうなんです。
  以前からお願いしていました。」

「戦場医とか?それなら伊作君向きかもねぇ〜w
 けど、敵味方関係なく治療しそうww」

ぷくくっと笑えば、

そんな私を伊作君は真剣な表情で見つめていた

伊「いいえ。戦場医ではなく、貴女の・・
  アリカさん率いる黒百合隊に入ります。」

「・・・・へ?」

伊「混奈門さんにもこれは了承済みですから」

淡々と話す伊作君に、頭がついていかない

彼は今、なんといった??

私の、黒百合隊に入るって??

はい??

「・・・伊作君、はっきり言うよ。
 君には向かない仕事だ。」

向かない、向く以前に、私が嫌だ・・!

私の勝手な押し付けだし、エゴだけど、

この仕事に手を染めてほしくなかった

伊「それ、混奈門さんにも言われました・・
  けど覚悟は変わりませんよ。
  僕は貴女の元で働きたいんです。」

真っ直ぐ私を見据える視線は

もうプロの顔だった

「・・・はぁ〜;;
 いつから君はそんなに押しが強くなったのかなぁ〜;;」

こっちは頭抱えるしかない

伊「僕もう、六年生ですよ?」

その言葉には、いろんな意味が含まれている様な気がした
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