落第忍者乱太郎/忍たま

□第十七ノ巻
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伊「初のお手伝いにしては、僕どうでしたか?」

ニコニコと褒めて褒めてと言わんばかりに上機嫌だ

私の失態もうまくフォローしてくれて

しかも遺体の処理も迅速丁寧

もう完璧としか言いようがなかった。

「素晴らしかったよ、伊作君」

少し背の高い君の頭をよしよしする。

彼は子供じゃないんですから、

と照れ臭そうにしていたが嬉しそうだ。

「何かあの男に言っていたみたいだけど、話でもしてたの?」

伊「いいえ?
  ただ言ってただけですよ、
  僕の大切な人を傷つけないでください。って」

私の髪を一束救い上げ、そこにキスを落とす

「っ・・そう・・・。」

今から死にゆく彼になんとも残酷なことを言ったものだ。

彼にそう言ったところで、生かすわけでもないものを

「伊作君・・・君は本当に伊作君?」

当時の印象とはずいぶんかけ離れたように思う。

まるで、別人のように・・・

伊「へ?何言ってるんですか!
  僕は僕ですよ!
  何も変わってはいませんよ。」

いつものような笑顔で言う。

「そう・・・」

そうか・・じゃぁこれか本当の君ということなのか。

何故か妙にストンと心に落ち着いた

雑渡さんは分かっていたんだろう、彼の本質を

彼の本性を。

伊「僕の事、嫌いになりました?」

ぐっと二人の距離が縮まるが

そこに甘い雰囲気などは一切感じ取れなかった

「どうして?
 伊作君の素顔が見れたようで、すごくうれしいよ。」

親愛の情も込めて額にキスを送った。

伊「ふふっ、僕もまた一歩、あなたの傍に近づけたようで
  とてもうれしいです。」

そう言って私の瞼にキスを落とした

「君は案外おませさんなのね?」

伊「えぇ〜?そんなことないと思いますけど;;」

「ふふっ
 まぁいいわ。出城に戻って次は
 報告書のまとめ方について教えるわ!」

伊「はい!」
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