落第忍者乱太郎/忍たま

□第十七ノ巻
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夜更け過ぎ、未だに私の部屋・・・

兼雑渡さんの部屋には伊作君がいた

薬草についての講義が長引いているせいでもある。

今日も今日とて雑渡さんは帰ってくる気配がないのでいいのだけど

「伊作君、もうこれくらいにして寝ない?」

流石に瞼が重くなってきた・・・

伊「すみません;;つい没頭してしまいましたっ」

いそいそと書物を片付けだすと、ふと伊作君が問うてきた

伊「首の噛み跡、全然治りませんね」

「・・・へ?」

急なことで頭が回らなかった

夜着を着ていたから、襟元が緩んで見えてしまったのだろう

「ごっごめんね、」

急いで襟を正すも、その手を捕まれ制止させられた

伊「謝る事じゃないですよ。
  その跡、雑渡さんにですよね?」

「あーえっと、はい・・」

なんか見られるのめっちゃ恥ずかしい・・・!!

伊「もっとよく見せてください」

「ぇ、あっちょっと!?」

首元に伊作君の吐息がかかる

なんで見るの!?意図が全く分からないのだが!?

伊「結構深そうな跡ですね・・・
  血とか出てたんじゃないですか?」

その後に伊作君はあろうことか舌を這わせた

「ッ//!?!?伊作くん!?!?」

びっくりして思わず伊作君を突き放した

伊「あぁごめんなさい、つい」

"美味しそうだったから"

そう呟いた伊作君の人見には雑渡さんにも似た

獣の瞳が宿っていた

「冗談はそのへんにして、もう部屋に戻りなさい」

これ以上一緒に居るのはお互い危険な気がした

だって

「おやおや伊作君、人妻に手を出すつもりかい?」

伊「やだなぁ混奈門さん。
  そんなわけないじゃないですか。」

何処からともなく現れた雑渡さんによって

クナイをのど元に突き当てられる伊作君。

こんな状況なのに、伊作君は平然としている

「ぇ、あっ・・!?」

一番テンパってるのは私だろうな

2人を交互に見て慌てるしかできないのが恨めしい・・!

伊「前にも言ったじゃありませんか。
  アリカさんに恋愛感情はないって」

混「あんなことしておいて?」

伊「見てたんですか?悪趣味ですねぇ〜」

からからと笑っているが、その首元には苦無だ。

分かっているのだろうか!?

伊「ちょっと味見したくなっちゃったんですよ
  彼女はとてもおいしそうなにおいがするから。」

「っ・・・」

こちらを見てニッコリ笑うその瞳にゾクっとした

伊作君に、本当に、物理的に食べられるのではないかと・・・

伊「な〜んて、冗談ですよw
  ちょっとお二人をからかっただけですよ!」

「へ??」

どうやら私たちが最近仕事で

会えていないことは知っていたようだ。

それでこうでもすれば、姿を見せるのではと考えたみたい

作戦が雑というかなんというか、

もっとましな作戦は無かったのだろうか??

混「ま、今日はそういう事にしておくよ。」

ゆっくりと伊作君から距離をとりクナイを下ろした

「はぁ〜、びっくりした・・って、伊作君血!」

クナイが当たり少し切れてしまったようで

首から血が流れていた

伊「あぁ、これくらい自分で手当てできますから大丈夫ですよ。」

混「それじゃ伊作君、
  これからは夫婦の時間だから自室に戻ったら?」

「大人げないですよ雑渡さん。」

軽く雑渡さんの頭を小突いて、伊作君に尋ねる

「本当に大丈夫?」

伊「はい、背中じゃないので自分でできますよ。
  それじゃぁ僕はこれで!」

ごゆっくり、なんて言葉を残して自室へと帰っていった
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