落第忍者乱太郎/忍たま

□第十八ノ巻
3ページ/5ページ



「ただいま戻りました〜」

雑「お帰り。
  ・・・なんだか上機嫌だね?」

「あ、わかります?」

先ほどの二人の話をした。

見慣れない、たくましい生徒たちに惚れ惚れしたと、

将来楽しみで仕方ないなどなど・・・

雑「ふ〜ん」

「聞いといて、なんですかその反応?」

雑渡さんは興味なさげに筆をくるくるさせていた

雑「興味ないわけじゃないけど、なんだか釈然としなくてね」

「釈然??」

何かまた気に障るようなことを言ったのだろうか?

未だに雑渡さんの機嫌損ねるポイントがよくわからない

雑「若い男に目が眩んでる妻を見るのは釈然としないよね?」

「ぅ・・・別に、目なんて眩んでませんよ・・」

嘘、ちょっと眩んだ←

いや、これは浮気とかではなくミーハー的なっ

アイドルにキャーキャーするみたいな!?

ただの言い訳にしか聞こえない思考が頭をめぐる

雑「怪しい・・・
  アリカちゃんは結構いろんな男に
  ホイホイされちゃうからなぁ〜」

「ちょっと、私が尻軽みたいに言わないでくださいよっ!」

雑「前科があるでしょ?
  伊作くんに・・あと、綾部喜八郎くん・・だったかな?」

「うっ・・いや、あれはあっちが勝手に・・」

雑「関係ないよ。
  どちらが先かなんて、ね。」

「ぁ・・っ」

グッと距離が縮まったかと思えば、視界が回った

「あの・・」

雑「・・・」

畳の上に押し倒され、若干背中が痛い。

雑渡さんは何をするわけでもなく、じっとわたしを見つめている

「雑渡さん・・・?」

雑「ねぇ、本当に私のこと好きなの?」

「あっ当り前じゃないですか!!」

何を言い出すかと思えば・・!

私には最初から、あなたしかいないのに‥!

雑「じゃぁ行動で示してよ・・。
  最近君はほかの男にうつつを抜かしすぎなんだよね・・」

「っ・・・」

鋭い眼光とクナイが私に突き刺さる。

首に突き付けられたクナイはひんやりと冷たい

雑「忍術学園に行くなとは言わないよ、
  伏木蔵がいるからね。
  けど、わかってると思うけど
  もし他の男と何かあれば、わかるよね?」

「・・・心配しすぎ、ですよ・・」

雑「心配事を増やしてるのは君自身だと
  自覚してもらわないとね。」

あぁ、首が痛いなぁ〜

これ絶対斬れてるよ・・

「つい色男に目移りしちゃうのは謝ります。
 もうこれ性分なんで開き直ります。」

雑「はい??」

「けど、その中で私が選んだのは雑渡さんだってこと、
 忘れちゃいました?」

どんなにかっこいい人でも、どんなに素敵な人でも

雑渡さんにかなう人なんて、私の中にはいない。

雑「・・・」

「私は雑渡さんの事好きだし、愛してます。
 たまに若い子にキュンキュンしちゃうこともあるけど」

雑「いや、あっちゃダメでしょ。」

「最後まで聞いてくださいよ!
 ゴホンッ・・
 キュンキュンしちゃうこともありますが!
 雑渡さんにかなう人なんて居ませんよ。
 私がこの世で一番キュンキュンしちゃうのは
 雑渡さんと伏木蔵だけですから!」

伏木蔵の可愛さは雑渡さんに引けを取らないくらい

キュンキュンしちゃうしねw

雑「・・・まぁいいよ。
  今日はこれくらいで納得してあげるよ」

なんだか呆れた顔してるけど、納得?はしてくれたみたい

「それはありがとうございます!
 だからもうこれどけてくれませんか?」

未だに私の首にあてがわれたクナイは

私の血で赤く染まっている

雑「あぁ、すまないね。」

何事もなかったように、退けてくれたけど

私の首は大惨事だ・・・ってほどでもないか。

少し切れて血は出ているが、傷は浅い

「もう・・また傷ができちゃいました」

手拭いで止血する

まぁ、以前付けられた噛み跡に比べれば可愛いものか

雑「消毒してあげようか?」

ニンマリと笑う顔に落ちが予想できたため、

丁重にお断りしておいた。

「結構です。
 それよりも、今日の書類仕事早く終わらせるよう
 山本さんに言われてましたよね?」

雑「そうだっけ〜?」

「です!」

山本さん泣くぞ??

「あと少しなんですから頑張ってくださいねぇ〜」

そう言って部屋を出ようとすれば引き留められた

雑「君はどこに行くの?」

「傷の手当てをしに自室へ。
 その後夕餉の手伝いに行ってきます。」

雑「美味しい雑炊頼んだよ?」

「任せてください組頭!」

雑「・・・そこはあ・な・た♡でしょ?」

「・・・すいません、そんな可愛いこと私には無理ですね。」


うん、考えただけで・・おぇぇぇ
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ