落第忍者乱太郎/忍たま

□第二十ノ巻
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辺りもすっかり暗くなってきたころ、

行灯の明かりのみで作業するのはかなり酷な作業だった

「字が見えずらいなぁ・・」

LEDが懐かしい・・!

もうここにきてしばらくたつ・・。

私が来たことによって、世界の時間が変わってしまったのか・・

二次元で見ていた時、彼らの時間は止まり

何年たとうが忍たまたちが進級、卒業することはなかった。

けれどどうだ?

私が来て数年、ゆっくりとだが時代は進み

来年には伊作君は卒業ときたもんだ。

「着実に、時の流れが出てきてるって事だよね」

それはいい事なのか、悪い事なのかは分からないけれど

この世界に新しい風が来ている証拠ではあった

「これから来るであろう時代の荒波に、
 どうか飲み込まれませんように・・・。」

子供向け教育番組だったであろうと、

設定されているこの時代は室町時代の乱世真っただ中

いつもどこかで戦があり、いつもどこかで誰かが死んでいる

とても残酷な世界だ。

そして私は、その動乱の真っただ中にいるとしても過言ではない

うちの城は戦好きで有名だ

いつまた大規模な戦が起こるか分からない。

そして、いつ忍術学園に仇名す存在になってもおかしくない

とても不安定な立ち位置だとは自覚していたが、

「・・・結局、伊作君も伏木蔵も・・
 私のエゴで巻き込んじゃったのかなぁ」

関わってしまった以上、もうどうすることもできないし、

どうにかするつもりもない。

この手に抱えられるだけの幸せを、大切にするしか他なかった

「・・・いかんいかん・・早く終わらせないと」

一人で作業していれば、考えなくてもいい事まで考えてしまう

今はこの会計書類に集中するのみ!

暗闇と格闘しながら、筆を走らせた
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