落第忍者乱太郎/忍たま

□第二十ノ巻
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「こんなもんか」

いつもは部下にお任せしてる作業を久々にした。

彼らの苦労を今思い知ったよ

「さてと、任務は終了。戻ろうか・・」

なんだろう、誰かに見られている。

視線が私から外れない

けれど殺気は無い。ただ見られているだけ

「・・・誰?いい加減出てきたら?」

「気づくのが遅いねぇ、アリカちゃん」

「組頭!!」

な〜んだ!誰かと思えば雑渡さんだった

木の上からさっと私の横に降り立った

混「終わった?」

「えぇ、まぁ・・・」

混「歯切れが悪いね」

「まぁちょっと色々あって・・。
 かくかくしかじかでして」

必殺のはしょり作戦だ!

今回の暗殺任務で起きたことを報告した

混「へぇ〜彼がねぇ・・。
  本当に忍たまは可能性の塊だねぇ〜」

ニタニタと悪い顔だ

「彼らの認識を改める切っ掛けになりましたよ」

忍たま、甘く見るべからずかな?

混「彼らは生まれながら忍びの素質を持っているんだよ
  それが歳と経験を重ねることで開花する。
  彼もうちに欲しいなぁ〜」

「全員スカウトする気ですか?」

まったく、見境ないんだから

混「ま、卒業後の進路は彼らに任せるさ
  うちはいつでも歓迎だという事は逐一伝えるけど」

勧誘する気満々だった

「とりあえず来年は伊作君がうちに来るんです
 それで満足されては?」

混「私は何に対しても貪欲なんだ・・
  しっているだろう?」

スッと顎を持ち上げられ、視線を合わせられる

獣の様な鋭い眼光に、一瞬硬直した

彼の貪欲さはそこが知れない

本当にいい性格をしている

「えぇ、存じておりますよ・・組頭。」

彼は欲しいと思ったものは必ず手に入れる男だ

どういう形であれ、ね。

混「ま、とりあえずは伊作君の入隊が当面の楽しみかな」

「そうですね。
 ほら、そろそろ出城もどりますよ。
 どうせ書類作業ほっぽって出てきたんでしょう?」

混「・・・たまに君が怖くなるよ」

この反応を見る限り、私の予想は当たっていたようだ

「今ので確信しました。
 ほら帰りますよ!」

凄く嫌そうな顔の雑渡さんを引きずって、出城までもどることとした
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